画像診断科

画像診断科専門医 養成プログラム

1.当科の紹介

近年のCTやMRIなど診断機器の大きな進歩とともに、画像診断の専門家である放射線科医の需要は急速に高まっています。最適な治療を行うためには、精度の高い診断が求められ、放射線科医は頭から足の先まで、全身の正確な画像診断をする必要があります。病変の存在、鑑別、広がりの正確な診断があって初めて最適な治療方針決定が可能になります。また、近年では患者への負担の少ない治療法、非侵襲的な治療法が盛んに行われています。血管内カテーテル治療(Interventional Radiology: IVR; 画像下治療)や新しい放射線照射技術によるがん治療など侵襲の少ない治療が進歩し、診断だけではなく治療の面でも放射線科医の役割が大きくなりつつあります。当放射線科ではCT、MRI、核医学などの各種画像診断および画像診断の知識を基礎とした血管カテーテル治療法(IVR)などの低侵襲的治療を通じてほかの診療科との緊密な連携を積極的に推し進めています。各科のカンファレンスに参加し、臨床的な知識を得ることにより、治療方針に深くかかわりながら放射線科業務を遂行する研修プログラムを用意しています。

具体的には、放射線専門医資格の最短での取得を目指すプログラムです。当施設での3年間の研修終了後(後期研修医)、放射線科認定医試験に合格すれば、卒後6年目での最短の放射線科専門医取得が可能です。また、その後、2年間の専門医研修を積むことによって、最短で卒後8年目に日本医学放射線学会放射線診断専門医(画像診断およびIVR)・放射線治療専門医(放射線治療)取得を目指したプログラムです。日本専門医機構が平成26年7月に作成した「専門医制度整備指針(第一版)(http://www.japan-senmon-i.jp/program/index.html)に基づき、新しいプログラムの整備中です。当院も、東海大学医学部付属病院(伊勢原)と連携しながら専門医を取得できるように既に日本専門医機構に申請済みです。八王子病院中心のプログラム研修を受けることが可能です。研修プログラムについては、最新のものが承認され次第、ホームページ上にも更新されます。

また、当科は臨床業務だけではなく、研究にも力を入れています。心臓・腹部・骨盤腔・神経放射線などの画像診断に関する臨床研究はもとより、基礎研究にも力を入れています。全身の画像診断に関係する臨床研究も盛んに行っています.また、特に血管内治療・IVRにおける分野では、国内数施設の理工学部や研究機関との医工連携により、生体適合性の高いステントガイドワイヤー、新規造影剤などの新規開発に取り組んでいます。基礎研究では、興味のあるテーマの研究をじっくりと行い、経験豊富な専門家・指導医が綿密な指導を行います。

入局後、1?2年以内の国際学会での発表、1~2年以内の英文論文掲載も可能です。また、大学院博士課程に所属しながら後期研修を行う場合は、ある程度の努力が必要となりますが、4年以内の医学博士取得が可能です。

また、後期研修医の希望があれば、東海大学医学部付属病院(伊勢原)での部分的な研修は可能です。

2.当科が研修施設として認定されている専門医一覧

(1) 放射線専門医(日本医学放射線学会)
(2) 放射線診断専門医(日本医学放射線学会)
(3) 放射線治療専門医(日本医学放射線学会)
(4) IVR専門医(日本IVR学会)
(5) 脈管専門医(日本脈管学会)

3.スタッフ

(1) 長谷部光泉 専任教授 放射線学会専門医 放射線診断専門医 日本IVR学会認定専門医
(2) 松本知博 専任講師 放射線学会専門医 放射線診断専門医 日本IVR学会認定専門医 脈管学会専門医
(3) 嶺 貴彦 専任講師 放射線学会専門医 放射線診断専門医 日本IVR学会認定専門医 脈管学会専門医
(4) 林 敏彦 助教 放射線学会専門医 放射線診断専門医 日本IVR学会認定専門医
日本脈管学会認定脈管専門医
(5) 橋田和靖 助教 放射線科認定医 PET核医学認定医

その他、非常勤医師(専門医)数名

遠藤じゅん 専任講師 放射線学会専門医 放射線診断専門医 マンモグラフィー読影B1認定医

(放射線治療科は、別にあり、菅原准教授が担当している)

4.後期研修カリキュラム

1年目
習得内容:放射線診断学全般(頭部・腹部・胸部・骨盤腔中心としたCT、MRI、超音波検査、血管造影の基礎)について研修をマンツーマン指導により研修。血管内治療 (IVR)の基礎についてもマンツーマンでの研修を行う。

2~3年
習得内容:IVR(血管内治療)、放射線治療学、神経放射線学、小児放射線学の基礎について研修を行う。より深い知識と臨床経験をつむ。さまざまな分野のトップクラスの専門家が在籍する教育関連施設にても、実地経験を多く積むための研修を行う。

3年間の研修終了後、日本医学放射線学会認定専門医試験を受診し、全員合格を目指す。

4年目以降(希望者は引き続き専門医研修を積むことができる)
習得内容:年目の段階で日本医学放射線学会放射線診断専門医(画像診断およびIVR)または放射線治療専門医を選択し、さらに専門的な研修を積む。
2年間の研修後、放射線診断専門医認定試験あるいは放射線治療専門医認定試験の受験資格が得られるため、最短で、卒後8年目でのさらに高度な専門医の資格取得が可能となる。

5.週間予定

週4.5日勤務。指導はすべてマンツーマンにより行われ、研修責任者が定める個人ごとの週間予定表に従い各分野(CT、MRI、消化管検査、超音波検査、血管造影及び血管内治療(IVR)の研修を行う。
以下は、全体共通の日程について付記する。
・中央放射線部 ・放射線科合同カンファレンス ・循環器センターカンファレンス
・神経内科カンファレンス ・レジデント抄読会(隔週) 
・医局会スタッフレクチャー ・症例検討会 
・消化器カンファレンス リサーチミーティング(臨床研究及び論文作成指導)
・その他 ・国内学会
・カンファレンス ・国際学会への参加、発表を積極的に随時行います。

6.教育関連病院・施設

東海大学医学部付属病院(伊勢原)などほか。

7.プログラムの実績(学位及び専門医等の取得状況等)

東海大学医学付属八王子病院画像診断科は、平成24年に新教授(長谷部光泉)が就任し、プログラムが刷新されました。独自の先進的なプログラムを若い先生に用意し、放射線専門医全員取得を確実なものにします。学位に関しては、国内外のトップクラスの研究施設との共同研究が多数進行しており、1~2年以内の英文論文掲載、大学院に所属しながら後期研修を行う場合は4年以内の医学博士取得が可能となります。

8.プログラムの指導状況

指導の95%以上はマンツーマン指導によって行われます。各分野の専門家が研修医一人ひとりを丁寧に指導し、短時間で放射線科医として知識・資質を身につけることができます。

9.学位・大学院と海外留学について

大学院への積極的な進学をお勧めいたします。後期研修を行いながら大学院博士課程に所属することによって、専門医取得と医学博士取得の両方が可能となります。非常に厳しいプログラムではありますが、やる気のある先生にとっては、最短で資格の全てが取得できる可能性がある魅力的なプログラムです。

臨床実習と臨床・基礎研究のバランスを重視し、若い先生の柔軟な発想性を最大限に引き出すような研究環境を実現しています。医局員全員の博士号取得に対しスタッフ全員が積極的に助力を与え、全力でサポートします。
博士取得後は、米国有名大学、Harvard大学(長谷部教授留学、放射線科など)、欧州大学、研究施設などへの留学ルートがあります。

10.評価及び修了認定

プログラムは指導責任者と管理運営責任者が常時研修の進行状況を把握し、3カ月毎に評価を行います。

参加学会

1) 日本医学放射線学会
2) 日本IVR学会
3) 日本血管内治療学会
4) 日本脈管学会
5) 日本バイオレオロジー学会
6) 北米放射線学会 (RSNA)
7) 欧州IVR学会 (CIRSE)
8) 欧州放射線学会 (ECR)
9) 日本循環器学会
10) 日本IVR学会関東地方会

参加研究会

末梢血管画像・血管治療研究会、多摩画像カンファレンス、ナノメディカルデバイス委員会、IVRリサーチミーティング(代表幹事)、日本学術振興会マイクロビームアナリシス委員会、IVR技術交流会(代表幹事)、ニューダイアモンドファーラムバイオ化学部門ワーキンググループ、日本学術振興会、独立行政法人医薬品医療機器総合機構専門委員会、千葉VTE治療研究会(代表幹事) 、バイオスーパーコンピューティング研究会 (BSCRC) 理事、日本医工ものづくりコモンズ 評議員、Interventiional Radiology Case Club(国際)幹事

問い合わせ先

募集定員:3名

問い合わせ先

募集定員:3名

東海大学医学部付属八王子病院 画像診断科
代表:東海大学医学部医学科
専門診療学系 画像診断学
教授 長谷部光泉

E-Mail: hasebe.terumitsu@gmail.com
〒192-0032 東京都八王子市石川町1838
Tel: 042-639-1111
Fax: 042-639-1144