総長挨拶

総長挨拶

学校法人東海大学総長 松前達郎

学校法人東海大学総長
松前 達郎

東海大学医学部付属病院は、1975年神奈川県伊勢原市に開院以来、地域に根ざした大学病院としての役割を果たすため、高度な診断と治療、心温まる医療サービスの提供に努めるとともに、「名医より良医を育てる」をモットーに、人間性豊かな医療と看護を実践できる人材を育成する医学教育病院としての機能を果たしてまいりました。その一方、超高齢社会の到来、医科学の飛躍的な進歩、医療保険制度改革への対応など、大学病院を取り巻く環境も大きく変わりつつあり、本学におきましても21世紀を担う新しい大学病院づくりを構想しておりましたところ、八王子市並びに市民の皆さまの大きな期待を受け、それに応えるべく、伊勢原、大磯、東京に続く本学4番目の医学部付属病院として八王子病院を開院する運びとなりました。

学園の創立者・松前重義は、人間の生命を扱う医学や医療は、総合的な科学の成果の上に成り立つものであり、総合大学においてこそ、その神髄を発揮できるとして1974年に医学部を、そして翌年、医学部付属病院を開設いたしました。21世紀の医療には高機能、高品位、高効率と人間性豊かな医療サービスの提供が期待されており、また、生命科学の発達が遺伝子レベルで生命の神秘を解明しつつあるなど、医療に携わる者には高い倫理観と人間性が求められております。それだけに、創立者が医学部付属病院に託したヒューマニズムと科学の調和という理念を、豊かに実践していくことが本院の大きな使命と確信するものであります。

また、当病院は地域における市民のための病院であります。医療情報の共有・交換、在宅患者さんへの対応や急性期疾患への対策など市民の皆さまと地域医療機関、本院が三位一体で連携することにより成果をあげることができるものであります。開院以来、電子カルテをはじめとしたIT(情報技術)システムにより、地域医療機関と医療情報を共有するなど、新しい地域医療連携サービスの実現にも努力してまいりました。今後も、医療の安全と患者さんおよびご家族の方が安心して利用できる新しい大学病院のモデルを目指して地域社会に貢献してまいりたいと存じます。