画像診断科の長谷部教授が日本表面真空学会マイクロビームアナリシス技術部会「榊賞」を受賞しました

2022年1月25日

 

 

当院画像診断科(血管内治療センター長)の長谷部光泉教授がこのほど、「医工連携による表面改質医療デバイスの開発研究」により、公益社団法人日本表面真空学会マイクロビームアナリシス技術部会「榊賞」を受賞。2021年11月4日にオンラインで開催された同技術部会の第6回研究会(日本表面真空学会学術講演会部会セッション)で表彰式と受賞講演が行われました。

 

日本の超高圧電子顕微鏡開発を牽引した故・榊米一郎氏(豊橋技術科学大学初代学長、名古屋大学名誉教授)の名前を冠したこの賞は、1995年に同技術部会の前身である日本学術振興会マイクロビームアナリシス第141委員会において、マイクロビームアナリシスの基礎および応用研究ならびにその技術的発展に優れた功績を挙げた研究者を称えるために創設された懸賞事業です。その最高賞に位置する「榊賞」を医師で受賞したのは国立大学法人浜松医科大学の瀬藤光利教授と長谷部教授のみで、快挙といえます。

放射線診断学や画像下治療(カテーテル治療やインターベンショナルラジオロジー=IVR)の専門医である長谷部教授は、医学・工学の博士をダブルで取得している強みを生かして20年以上にわたり体内埋め込み型の医療機器の開発に従事。機器表面のナノレベルでの分析や表面改質により「血栓ができないコーティング技術」などの研究開発を進め、その成果は現在、補助人工心臓や冠動脈ナノコーティングステントをはじめ、脳を含む全身の臓器に用いられる医療機器に応用されています。

長谷部教授は、「2010年には日本学術振興会から、ステントの物理学的解析に関する研究で『榊奨励賞』(若手研究者に贈られる賞)をいただきました。当時の基礎研究が、現在の臨床での実用化へとつながっていることを大変うれしく思います。現在は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受け、膝窩動脈以下の細径動脈硬化性病変に対する長期開存ステントシステムの開発にも取り組んでいます。医師として臨床現場のニーズを的確に把握した上で、工学の観点からその要望に応えるべく研究開発を進め、真に患者さんに役立つ“日本発”の医療機器を世界中の患者さんに届けたい。シームレスな医工連携により、さらなる技術革新を進めていきます」と意欲を見せています。

 

画像診断科教授
長谷部 光泉

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