小児外科

小児外科

1.当科の紹介

当科は、都立八王子小児病院廃止に伴って消え失せかけた小児外科診療の灯を絶やすまいとの使命感から2009年4月に新設された比較的新しい診療科で、日本小児外科学会指導医1名ならびに専門医各1名の2名で和気あいあいと小児外科診療を行っております。広い八王子市には充実した小児外科施設はなく、当科は八王子唯一の手術・入院可能な小児外科施設となります。さらに、本院である東海大学病院は日本小児外科学会認定施設で、当院はその教育関連施設として認可を受けております。

2.当科が研修施設として認定されている専門医制度

小児外科専門医制度は、指導医のもと認定施設で研修することを原則としています。優れた環境と指導者は、小児外科医の育成に必要であるだけでなく、患者が被害を受けないためにも不可欠という認識に基づいています。このような趣旨から、指導医と施設の基準はかなり厳しく定められている一方、専門医の資格は、認定された施設で小児外科を研修すれば自動的に研修歴(研修月数および経験症例数)が得られるので、簡単な手続きで済み、当院での取得は可能です。

3.スタッフ

(1) 平川 均 教授 日本小児外科学会指導医/専門医/評議員、日本小児救急医学会評議員、日本外科学会専門医
(2) 鄭 英里 講師 日本小児外科学会専門医、日本外科学会専門医

4.研修プログラムの基本概念と方略概要

小児外科日常診療で遭遇する病気や病態に適切に対応できるプライマリ・ケアの基本的な診療能力を身につけるため、まず医育機関において(卒後6-8年間)、一般外科を基礎に小児外科診療を実践しながら、小児診療に必要な基本的知識と外科的処置を含む基本的手技を修得し、患者およびその保護者のニーズに配慮した診療態度を体得し、少なくても専門医を取得した後、当施設との交流をはかりながら小児外科臨床力をアップさせ、最終的に指導医の取得を目指す。研修方略概要は、卒後1-2年の臨床研修、卒後3-5年の臨床助手ならびに小児外科に専従する6-8年は医育機関にて行い、8年目以降、当施設での移動、研修が可能となる。

5.研修到達目標

1) 小児診療に特化する前に、成人を中心とした診療各科で、患者およびその家族や他の医療従事者とのコミュニケーションを通じ、医療人として必要な基本姿勢・態度を身につける。
2) 基本的手技(圧迫止血法、包帯法、注射法、採血法、ドレーン・チューブ類の管理、胃管挿入、創部消毒とガーゼ交換、簡単な切開縫合、気管内挿管)を実施する。基本的な輸液輸血法と栄養法を知る。
3) X線画像検査(単純撮影、消化管造影、血管造影、CT検査)ならびにMRI・RI検査に慣れ親しみ、正しい読影法を学ぶ。
4) 小児外科初歩的手術的治療である外鼠径ヘルニア根治手術、虫垂切除術、幽門筋切開術、腸重積観血的整復術、直腸吸引生検、精巣固定術、人工肛門造設術・閉鎖術の第1助手を務める。
5) 腸重積非観血的整復術、異物除去法、嵌頓整復術、上部消化管内視鏡を取得する
6) 成長に見合った輸液量・薬量を計算できる。小児呼吸器管理を学ぶ。
7) 手術の基本を学び手技を体得するため、一般外科へ出向もしくは配属、専従する。
8) 小児外科学会指導医の下、小児外科初歩的手術の術者を務め、また食道閉鎖症、横隔膜ヘルニア、腹壁異常、腸回転異常症、十二指腸閉鎖症、小腸閉鎖症、Hirschsprung病、中間位・高位鎖肛、胆道閉鎖症、胆道拡張症、神経芽腫・肝芽腫・腎芽腫手術など高度な手術技量を要する疾患の助手を務める。
9) 小児外科外来を受け持つことで、小児の各発達段階に応じた医療を通じて小児医療の現場を経験、専従する。
10) 病棟では主治医となり、日々、患児やその保護者と接し病状について説明する。
11) 症例報告ならびにまとまった数の症例からの導いた研究報告を学会レベルで発表する。

6.参加学会

1) 日本小児外科学会
2) 日本小児がん学会
3) 日本小児救急医学会
4) 日本小児泌尿器学会
5) 日本小児放射線学会
6) 日本腹部救急医学会
  など。

問い合わせ先

東海大学医学部付属八王子病院
小児外科 平川均

〒192-0032 東京都八王子市石川町1838
Tel:042-639-1111
E-Mail: hhitoshi@is.icc.u-tokai.ac.jp