病理診断科

病理診断科(後期研修医)養成プログラム

1.当科の紹介

当科は2002年の開院以来、一人病理医体制が長年続き、スタッフ不足が悩みでしたが、2012年7月に田尻琢磨が医長に赴任し、2013年4月には2人、2013年10月から3人に増員され、Officialにも病理診断科というUnitとして後期研修医を受け入れ可能な施設にまで発展してきました。同時に病理診断科は2008年国が標榜科を認定した新しい科でもあります。診断病理は従来の実験病理のような基礎医学の位置付けと違い、外科病理(患者さんから採取された外科材)を主に顕微鏡を介して良悪性の組織診断をする臨床科の位置づけです。又、昨今想定外の死亡(院内)に対し医療事故調査対象事案に対する死因究明のreceiverとして病理解剖により質的診断も社会より求められている科でもあります。当科は3人体制でうち2人病理専門医、指導医を有しており、その指導医の人数は決して十分とは言えませんが、実践に即した教育を行っています。また各科との垣根がなく特に腫瘍に興味を持っている方、そして大きな組織に在籍してその中での人間関係の構築が苦手なかた、 比較的マイペースな方に向いていると思われます。2年の臨床研修を通じて自分の個性は病理に向いていると感じた方は気軽に声をかけてください。我々は、職場環境のストレスは標本量等の仕事量でなく人間関係に起因していると考えています。また女性医師に寛容な科でもあり続けたく、それが病理診断科発展の鍵と信じています。子育て時の急な用事にも臨機応変に対応できるよう何でも気軽に話ができるよう職場の雰囲気には細心の注意に努めております。

当科の特徴は医長の田尻や講師の杉山は、膵胆道系を主に専門にしている関係から消化器内科、外科等外科系の科との交流が多くカンファレンスが頻繁に行われています。我々の下した診断がどういう過程で手術になりうるか、内視鏡治療になるか、化学療法になるか1元的に認識できることが可能でそれをRetrospectiveにfeedback可能です。また臨床助手の平岩はリンパ腫を専門にしており、学問だけでなく後期研修医の良き相談相手になってくれるでしょう。臨床研修医を通じ、腫瘍に興味が出てきてしかも形態学に興味があり通来の臨床医と若干違った立場で腫瘍の勉強がしてみたい方には最適です。“百聞は一見にしかず”まずは興味のある方はコーヒーを飲みに当科をたずねて下さい。わからないことがあれば尋師訪友して下さい。

2.当科が専門医として認定されている専門医一覧

1) 病理専門医
2) 細胞診指導医

3.スタッフ

(1) 田尻 琢磨 教授 病理専門医 細胞診指導医 臨床研修指導医
(2) 杉山 朋子 講師 病理専門医 細胞診指導医 臨床研修指導医
(3) 平岩 真一郎 臨床助手 死体解剖資格

4.研修プログラムの基本理念と概要

当科のコンセプトは“真理は現実のただ中にあり“という理念のもと細胞診、組織診、術中迅速細胞診等実践的な日常診断を通じて後期研修医の先生にReal timeに病理診断のノウハウを教えることにしています。

1) スライドの奥に患者さんや患者さんの家族がいることを常に念頭に置き最良の診断をくだす。
2) 純形態学のみならず、臨床情報、画像診断等多角的に検討して診断をする
3) 全臓器をほぼ網羅して勉強する
4) 剖検は必ず入り全身の臓器と個々の臓器の関係を確認する
5) 病理医としての品格を備える
6) 学会および研究会に参加して最新の知識を会得する

5.研修到達目標

1) 指導医のもとに初期的な病理解剖ができる
2) 指導医のもとに外科切除検体の切り出しができる
3) 指導医のもとにある程度の臓器の標本の組織型の診断ができる
4) 指導医のもとに術中迅速診断で良悪性の診断が可能である

6.参加学会

1) 日本病理学会
2) 国際病理アカデミー(IAP)
3) 日本臨床細胞診学会
4) 日本膵臓学会
5) 国際膵臓学会
6) USCAP(アメリカ、カナダ病理学会)

研究会

神奈川病理学会

問い合わせ先

東海大学医学部付属八王子病院
病理診断科(代表:田尻琢磨)

〒192-0032 東京都八王子市石川町1838
Tel:042-639-1111
Fax:042-639-1123