血液腫瘍内科

血液腫瘍内科後期臨床研修プログラム

1. 血液腫瘍内科の紹介

当院は人口56万人の八王子市の中核病院の一つです。南多摩では血液疾患の 患者さんを診療している施設が限られているため、八王子市内に限らず近隣の日野、昭島、相模原、大月市などからも患者さんがいらっしゃいます。当科では看護部、他の診療科、検査部、薬剤部などと連携して、多くの血液疾患の診療を行なっています。緊急の対応が必要な初発の急性白血病から、血液疾患の治療のみではなく療養環境を整えることを含めた対応が必要な高齢者の治療まで、様々な症例を経験することができます。また学会、研究会にも可能な限り参加できるようにサポートいたします。

2. 血液腫瘍内科のプログラム

今世紀に入ってから多くの分子標的薬が使用されるようになり、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの造血器腫瘍の治療は大きな進歩を遂げて、治療成績は大きく改善しました。一方でこれらの薬剤には従来の抗癌剤とは異なる副作用があり、使用にあたっては専門的知識が不可欠です。また人口の高齢化とともに造血器腫瘍患者でも造血器腫瘍以外にいくつかの合併症をもつ高齢の患者が増加しています。従って造血器腫瘍患者の診療には血液腫瘍内科の専門的知識とともに、全般的に患者の状態を把握することが求められます。また血液腫瘍内科では造血器腫瘍以外の貧血、血小板減少症、血液凝固異常症などの診断、治療を行なう必要があります。出血傾向を呈する患者が観血的処置が必要になった時、静脈血栓症を発症した患者が血栓性素因を有するか判断が必要な時、妊婦で血小板、凝固系の異常がみられた時、など他の診療科からコンサルテーションをうけて対応することも少なくありません。当院での研修はこれらの血液内科医として必要な知識と技能を身につけていただくことを目的としています。

血液専門医カリキュラムでは、I. 医の倫理と医療の安全、II. 生涯教育、III. 知識、IV. 診察、V. 検査、VI. 治療、VII. 症例経験、VIII. がん診療の専門医のための項目、について研修することが求められています。研修終了時に血液専門医を取得していただくために当科では以下のように研修を進めていただきます。到達度を半年毎に評価して、また専門医制度の改革など情勢の医療をめぐる環境の変化に合わせて研修内容を見直していきます。

後期研修1年目

内科全般の知識を身につけていただくために、血液腫瘍内科と他の診療科をローテーションして研修していただきます。血液腫瘍内科での研修6ヶ月、他の診療科のローテーション6ヶ月を予定しておりますが、初期研修終了時までに習得した知識、技術、および本人の希望を考慮してローテーション期間、ローテーショする診療科を決定します。血液腫瘍内科では指導医の指導のもとで入院患者の診療を行なっていただくことを通して、血液内科医として必要な基礎的な知識、診療技術を身につけていただきます。

後期研修2年目

血液腫瘍内科病棟で指導医の指導のもとで主治医として診療にあたっていただきます。患者さんの診断、治療を計画、実践できるようになること、患者さんおよび家族に病状、治療方針の説明を行なえるようになることを目標とします。また経験した症例の中から1回以上症例報告を行なっていただきます。

後期研修3年目

2年目に引き続き血液腫瘍内科病棟で主治医として診療にあたっていただきます。また現在当科ではいくつかの多施設共同臨床研究に参加していますが、これらの試験に関わっていただくことを通して、臨床研究の基礎を身につけていただくとともに、学会での発表、論文作成も経験していただきます。なお当院では現在造血幹細胞移植療法は行なっておりませんが、移植の研修を希望される場合は他施設で研修を行っていただく機会を設けます。

後期研修4年目以降

血液腫瘍内科病棟で中心的役割をはたす医師となっていただくとともに、再診患者を対象とした外来を行っていただく予定です。また習得してきた知識、技能を確認して血液専門医取得に向けて不足する点を補っていく予定です。

週間予定

• 末梢血・骨髄標本検鏡（毎日）
• 血液腫瘍内科カンファレンス（週1回）
• 教授回診（週1回）
• 呼吸器内科合同カンファレンス（月2回）
• 病理標本検鏡（随時）
• 論文紹介、レクチャー（随時）

3.スタッフ

横山　健次	教授	日本内科学総合内科専門医・指導医、日本血液学会専門医・指導医、 日本がん治療認定機構がん治療認定医
上田　智基	講師	日本内科学会認定医、日本血液学会専門医・指導医
橋本　典諭	助教	日本内科学総合内科専門医、日本血液学会血液専門医、 日本がん治療認定機構がん治療認定医、日本臨床腫瘍学会癌薬物療法専門医

当院は日本血液学会研修施設になっております。

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