循環器内科

循環器内科専門医 養成プログラム
1.当科の紹介
当科は2002年の八王子病院開院以来、八王子市の基幹的な循環器内科診療施設として診療を継続してきました。2009年からは小林教授が心臓病研究の中心地である日本医科大学より赴任し、不整脈治療分野が充実し、現在は日本でも屈指の施設に成長しております。現在のスタッフ数は12名で、各スタッフの専門領域において活発な医療、研究の実践を日々行っています。現在、当科は3つの専門医療チームによって構成されており、それぞれが切磋琢磨しながら発展し、またお互いが有機的に協力、補完し合い最善の医療を提供するチーム医療を展開しています。はじめに心筋梗塞、狭心症を代表とする虚血性心疾患に対する診療を専門的に行う心臓カテーテル、インターベンショングループがあります。インターベンションチーフの松陰准教授は手首の動脈から細いカテーテルによる治療を得意とし、多くの学内外からの見学者が来院し、国内の指導的立場にあります。年間に千件を超える冠状動脈造影、350件を超える経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を行っており、そのうち100件を超える急性心筋梗塞患者さんPCIおよび集中治療にあたっています。次に不整脈診療を専門とするグループです。年間150~200件のカテーテル・アブレーション、特に心房細動の治療に積極的に行い良好な成績を収めています。ペースメーカー、植込み型除細動器、心臓再同期療法などの心臓植込み型デバイス治療も適切症例に積極的に行い、デバイス治療の総数は年間約100件に上ります。最後に、心臓リハビリテーションを専門的に行うグループです。及川講師を中心に心不全、心筋梗塞後の症例に対する運動処方のみならず、あらゆる心疾患に対する危険因子や生活習慣を管理する包括的心臓リハビリテーションを積極的に行い、退院後の管理にまで行う数少ない病院の一つです。心臓リハビリテーションの専門外来も設け患者さんの指導を継続的に行っています。これらのグループが互いの意見交換により協力しながら、最善の治療を患者さんへ提供するように取り組んでいます。また心臓血管外科とは密に連絡を取り、合同のカンファレスを開催して、外科治療が望ましい症例の検討会も行っております。閉塞性動脈硬化症など末梢血管の動脈硬化性に対するインターベンション治療は心臓血管外科の金淵准教授、放射線科の長谷部教授に依頼し適切治療を行っていただいております。
2.当科が研修施設として認定されている専門医一覧
(1) | 循環器専門医(日本循環器学会) |
(2) | 心血管インターベンション専門医(日本心血管インターベンション治療学会:CVIT) |
(3) | 不整脈専門医(日本不整脈心電学会) |
(4) | 心臓リハビリテーション指導士(日本心臓リハビリテーション学会) |
3.スタッフ
(1) | 小林 義典 | 教授 (副院長、 循環器センター長) |
内科学会認定医 循環器専門医 不整脈専門医 |
(2) | 森田 典成 | 准教授(医長) | 内科学会認定医 循環器専門医 不整脈専門医 |
(3) | 松隂 崇 | 准教授 | 内科学会認定医 循環器専門医 心血管インターベンション治療学会(CVIT)専門医/認定医 |
(4) | 及川 恵子 | 講師 | 内科学会認定医 循環器専門医 心臓リハビリテーション(心リハ)指導士 |
(5) | 上野 亮 | 講師 | 総合内科専門医 内科学会認定医 循環器専門医 不整脈専門医 |
(6) | 牛島 明子 | 助教 | 総合内科専門医 内科学会認定医 循環器専門医 心リハ指導士 |
(7) | 河村 洋太 | 講師 | 内科学会認定医 循環器専門医 CVIT専門医/認定医 |
(8) | 飯田 剛幸 | 助教 | 総合内科専門医 内科学会認定医 循環器専門医 不整脈専門医 |
(9) | 濵 知明 | 助教 | 総合内科専門医 内科学会認定医 循環器専門医 心リハ指導士 |
(10) | 山本 良也 | 助教 | 内科学会認定医 循環器専門医 |
(11) | 南川 翔 | 助教 | 内科学会認定医 循環器専門医 CVIT認定医 |
(12) | 七尾 富久 | 臨床助手 | 内科学会認定医 |
(13) | 唐澤 由香 | 臨床助手 | |
(14) | 山本 明日香 | 非常勤 | 総合内科専門医 内科学会認定医 循環器専門医 |
4.研修プログラムの基本理念と概要
当科における診療の基本理念は以下の通りです。
1) | 患者さん、およびその家族との良好な関係を築き、互いに満足できる最良の診療を目指す。 |
2) | 医師としてふさわしい人間性を養い、生涯にわたって継続的な医学知識を習得する習慣を身につける。 |
3) | 最新のエビデンスおよびガイドラインに基づく医療の実践を行う。 |
4) | 有機的なチーム医療を目指す。 |
5) | 学会および研究会活動等に積極的に参加し、最先端の医学情報、知識、技能を習得する。 |
6) | 総合的な内科分野の診療能力を習得し、これを循環器診療に反映させる。 |
7) | 循環器内科領域の知識の習得、および実践を重ね、診療能力を日々向上させる。 |
当科へは循環器領域の疾患の治療を必要と患者さんが入院し、その多くの方は糖尿病などの他領域の内科疾患を合併しています。合併疾患において積極的治療介入が必要な患者さんは、当該領域の診療科あるいは総合内科と連携し、その分野の診療にも関与することが可能です。従って、内科認定医を取得するための臨床経験を積むことも可能となります。
また、学位を取得するために臨床研究を希望する場合は、後期研修医の期間から研究を始めることができ、3年間の研修期間が終了した後も、助教として就職し研究を継続することが可能です。基礎的な研究を望まれる方は、後期研修終了後に伊勢原の東海大学付属病院に移動する、もしくは伊勢原校舎の臨床研修/大学院コース(臨床助手2種)に応募する選択肢が用意されています。
5.研修到達目標
1) | 循環器疾患の身体的所見を的確にとることができる。 | ||||||||||||||
2) | 各種循環器疾患の診断と治療計画を立案し、実践できる。 | ||||||||||||||
3) | バリエーションに富む心電図変化を的確に診断し、評価が行える。 | ||||||||||||||
4) | エビデンスに基づいた循環器疾患に対する薬物、非薬物治療の選択と治療に伴う効果と有害事象が予測できる。 | ||||||||||||||
5) | 循環器疾患の危険因子、例えば高血圧、糖尿病、脂質異常症の管理ができる。 | ||||||||||||||
6) | 高度な救命処置(ACLS)ができ、基本的な救命処置(BLS)の指導ができる。 | ||||||||||||||
7) | 循環器疾患の臨床研究に参加できる。 | ||||||||||||||
8) | 以下に示す検査手技や診断法を習得する。
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(9) | 以下に示す治療法を指導医のもとに経験する: 治療の実践および経過観察(術者および助手)
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参加学会
1) | 日本循環器学会 |
2) | 日本心臓病学会 |
3) | 日本心血管インターベンション治療学会 |
4) | 日本不整脈心電学会 |
5) | 日本心臓リハビリテーション学会 |
6) | 日本内科学会 |
7) | 日本成人病(生活習慣病)学会 |
8) | 日本老年病学会 |
9) | American Heart Association (AHA)、American College of Cardiology (ACC)(米国)、European Society of Cardiology (ESC)(欧州) |
10) | Heart Rhythm Society(HRS)(米国)、European Heart Rhythm Association (EHRA)(欧州)、Asian-Pacific Heart Rhythm Society (APHRS)(アジア) |
(太字は当科のスタッフが学会の社員、評議員以上の役職を行っているもの)
参加研究会
東京都CCU研究会、臨床心臓電気生理研究会(幹事)、臨床不整脈研究会(幹事)、
不整脈ディベート・カンファレンス(幹事)、
運動循環器病学研究会、運動処方研究会、多摩不整脈研究会(幹事)、
多摩心房細動マネージメント研究会(代表幹事)など
昨年度採択発表学会
Heart Rhythm Society、Asian-Pacific Heart Rhythm Society、
日本循環器学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本不整脈心電学会、
日本心臓リハビリテーション学会、日本成人病学会
問い合わせ先
東海大学医学部付属八王子病院
循環器内科(代表:小林義典)
〒192-0032 東京都八王子市石川町1838
Tel: 042-639-1111
Fax: 042-639-1144
E-mail:yoshikoba@tokai-u.jp