乳腺・内分泌外科
乳腺・内分泌外科 後期研修プログラム
1.当科の紹介
東海大学医学部付属八王子病院では、2012年4月より乳腺・内分泌外科を開設し、乳腺外科医2名で診療を開始しました。検診や手術・薬物・放射線などを用いた初期治療から再発治療、さらに緩和医療まで幅広くハートウォーミングな乳癌診療を施行しています。
近年増加傾向の著しい乳癌の診断に関しては、マンモグラフィ・超音波・造影超音波・マンモトーム生検装置・CT・MRIなどの画像診断と細胞診や針生検を積極的に行っています。治療に関しては最新の研究結果を積極的に導入し、さらに関連各科との連携は、手術では病理診断科の協力を得て、切除断端の術中迅速病理検査を行い、乳房温存術、センチネルリンパ節生検がスムースに行えています。再建術では形成外科と連携し、再建術希望者には自家の腹直筋皮弁もしくは人工乳房を用いた一期的再建を積極的に行っています。放射線治療では、2012年04月に開設された放射線治療科と協力し、先進的な治療装置による乳房温存術後の残存乳腺や再発部位(局所、骨、脳)への照射を施行しています。
当科では、集学化と個別化、低侵襲化を考慮した標準的治療を実践しながら、大学病院であるメリットを生かし、関連各科との連携システムを整えています。また、東海大学は再発乳癌症例に対する薬物治療の分野で先駆的な立場であり、伊勢原の東海大学病院と連携を取り、新薬の臨床研究、治験なども積極的に行っております。
乳腺疾患以外には、甲状腺腫瘍性疾患の診断と手術、再発甲状腺癌の薬物療法も積極的に行っています。
2.当科が研修施設として認定されている専門医一覧
(1) | 外科専門医(日本外科学会) |
(2) | 内科専門医(日本内科学会) |
(3) | 乳腺専門医(日本乳癌学会) |
(4) | がん治療認定医(日本癌治療学会) |
(5) | がん薬物療法専門医(日本臨床腫瘍学会) |
3.スタッフ
(1) | 齋藤 雄紀 | 講師 |
(2) | 大下内 理紗 | 助教 |
4.研修プログラムの基本理念と概要
当科における診療の基本理念は以下の通りです。
(1) | 患者さん、およびその家族との良好な関係を築き、互いに満足できる最良の診療を目指す。 |
(2) | 医師としてふさわしい人間性を養い、生涯にわたって継続的な医学知識を習得する習慣を身に着ける。 |
(3) | 最新のエビデンスおよびガイドラインに基づく医療の実践を行う。 |
(4) | 有機的なチーム医療を目指す。 |
(5) | 学会および研究会活動などに積極的に参加し、最先端の医学情報、知識、技能を習得する。 |
(6) | 乳癌領域の知識の習得、および実践を重ね、診断能力を日々向上させる。 |
研修プログラムの概要
伊勢原の東海大学医学部乳腺・内分泌外科学教室と協力しながら研修を進めて頂きます。 外科専門医→乳腺専門医を目指す場合、初期研修の後、乳腺外科に入局し、外科専門医を習得するため、院内(本院、もしくは八王子病院)、および関連施設での一般外科、小児外科、心臓血管外科、呼吸器外科、救命救急科などの研修を行います。
内科専門医→乳腺専門医を目指す場合は、初期研修の後に乳腺外科に入局し、呼吸器内科、血液内科(本院もしくは、八王子病院)などを回り、将来的に日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医の取得を視野に入れて研修しつつ、まず内科専門医の取得を目指します。その後は乳腺外科中心の研修となります。外科手術の基礎を学びつつ(本院もしくは、八王子病院)、形成外科の研修も半年ほど行います。女性の場合、乳腺外科に興味はあるものの、外科の研修がきつい・・とのイメージから、乳腺外科を敬遠するケースもあるかと思いますが、内科専門医から乳腺外科のコースであれば、そういった心配は少なくなります。内科専門医ならではの知識、専門性を生かした乳腺外科医としてのプレゼンスを発揮できると思います。また、がんプロフェッショナルコースは3年目に呼吸器内科、血液内科などを中心に内科を研修し、4年目から3年間、乳腺・内分泌外科の臨床を中心(本院もしくは、八王子病院)に、臨床研究、基礎研究に従事し、がん薬物療法専門医、乳腺専門医の取得を目指すコースです。
新専門医制度が新たに始まり不確定な要素が多いですが、当科を希望された皆さんが充実した研修を行い、乳腺専門医を早期に取得できるよう全面的に協力します。
5.研修到達目標
1) | 乳腺、甲状腺疾患の身体所見を的確にとることができる。 |
2) | 各種乳腺、甲状腺疾患の診断と治療計画を立案し、実践できる。 |
3) | バリエーションに富む乳腺、甲状腺疾患を的確に診断し、評価が行える。 |
4) | エビデンスに基づいた乳癌に対する薬物、非薬物治療の選択と治療に伴う効果と有害事象を予測できる。 |
5) | 乳癌の臨床研究に参加できる。 |
6) | 以下に示す手技や診断法を習得する。 ①ガイドラインに基づいたマンモグラフィ、乳腺超音波やその他の画像検査による診断 ②超音波ガイド下インターベンション(超音波ガイド下穿刺吸引細胞診、針生検) ③皮下埋め込み型中心静脈ポート留置 |
7) |
以下に示す治療法を指導医のもとに経験する: 治療の実践および経過観察(術者および助手) ①乳癌手術 ②術前および術後の薬物療法 ③乳癌再発治療(外科療法、薬物療法、および放射線療法) ④緩和治療 |
6.参加学会
1) | 日本外科学会 |
2) | 日本乳癌学会 |
3) | 日本癌治療学会 |
4) | 日本臨床腫瘍学会 |
問い合わせ先
東海大学医学部付属八王子病院
乳腺・内分泌外科 (代表:齋藤 雄紀)
〒192-0032 東京都八王子市石川町1838
Tel:042-639-1111