皮膚科

皮膚科後期研修医プログラム

1.当科の紹介

当科は、開院時から診療メインに行ってきましたが、本院から2011年度から松山准教授が赴任し、日本皮膚科学会認定の研修施設になりました。特別な研究テーマ、診療領域はありません。そのため研修するには幅広く臨床について経験できる施設と考えています。
普段の診療は、医師2名で行っているためほぼ全時間帯外来もチーム医療となっているのが現状です。そのため研修も常に指導医とのマンツーマンでの指導ができる施設です。

2.当科が研修施設として認定されている専門医一覧

(1) 日本皮膚科学会認定専門医

3.スタッフ

(1) 松山 孝 准教授 皮膚科学会専門医 皮膚免疫 アトピー性皮膚炎
(2) 矢作榮一郎 助教 皮膚腫瘍

4.研修プログラムの基本理念と概要

1 一般目標

専門にかかわらず臨床医として最低限必要な皮膚科の基本的診察技能、検査法、治療法の習得を目標とする。

(1) 皮膚科common disease について、その発疹学的特長と病態をよく理解し、正しい治療選択ができる。
(2) 基本的知識の習得

皮膚の構造と機能、およびその年齢に伴う変化、部位による皮膚の特性などを病理組織像と照らし合わせながら基本的な理解を深める。皮膚・粘膜に生じる症状はデルマドロームである事をよく理解し、内蔵悪性腫瘍や肝・腎疾患、糖尿病などに伴う特徴的な皮膚症状を習得する。代表的な皮膚悪性腫瘍(基底細胞癌、有棘細胞癌、悪性黒色腫、乳房外パジェット病など)の臨床的特長を理解し、これらを視診により疑うことができ、皮膚科専門医にゆだねる事ができる。

5.研修到達目標

習得すべき基本的皮膚科診察能力

(1) 患者との間によいコミュニケーションを保って問診を行い、皮膚症状を通して現れる患者の問題点を総合的かつ全人的に捉えることができるようになる。
(2) 視診、触診で皮疹の正確な評価および記載ができる。

経験すべき基本的手技

1. (1)包帯法を実施できる。
2. 注射法(皮内、皮下、筋肉)を実施できる。
3. 局所麻酔法を実施できる。
4. 創部消毒とガーゼ交換を実施できる。
5. 簡単な切開・排膿を実施できる。
6. 皮膚縫合法を実施できる。
7. 軽度の外傷・熱傷の処置を実施できる。
8. 適正な軟膏処置ができる。

経験すべき皮膚科臨床検査

1. アレルギー検査(皮内テスト、スクラッチテスト、プリックテスト、パッチテスト、薬剤によるリンパ球刺激試験、IgE RAST 、TARCなど)
2. 真菌検査(直接鏡検)
3. ダーモスコピー検査
4. 皮膚生検
5. 皮膚病理組織検査
6. 画像検査(表在超音波検査、CT,MRIなど)
7. 光線過敏検査(最小紅斑量測定含む)

基本的治療

1. 副腎皮質ステロイド外用剤を正しく使用できる。
2. 軟膏量法を実施できる。
3. 抗ヒスタミン剤・抗アレルギー剤を正しく使用できる。
4. 抗ウイルス剤を正しく使用できる。
5. ステロイドの全身投与が適正にできる。

経験すべき症状

1. 発疹
2. 掻痒
3. リンパ節腫脹
4. 疼痛(特に帯状疱疹)

経験すべき疾患

1. アナフィラキシーショック
2. 熱傷
3. 皮膚外傷
4. 急性細菌感染症(壊死性筋膜炎、ガス壊疽など)
5. 湿疹・皮膚炎群(接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎)
6. 蕁麻疹
7. 薬疹
8. 皮膚感染症(1.細菌感染症、2.真菌感染症、3.ウイルス感染症、4.性行為感染症、5.節足動物媒介性皮膚感染症)
9. 膠原病(全身性エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎)
10. 寒冷による皮膚障害(凍傷、凍瘡)
11. 褥瘡
12. 糖尿病に合併する皮膚病変
13. 下腿潰瘍(下肢静脈瘤症候群などを含む鑑別診断)
14. 皮膚悪性腫瘍(1.基底細胞癌、2.有棘細胞癌、3.悪性黒色腫、4.乳房外パジェット病、5.皮膚悪性リンパ腫)

参加学会

1) 日本皮膚科学会
2) 日本皮膚科学会東京支部地方会
3) 日本臨床皮膚科医会
4) 日本臨床皮膚科医会東京支部地方会
5) 日本研究皮膚科学会
6) 日本医真菌学会
7) 日本アレルギー学会

参加研究会

東京都皮膚科医会、八王子皮膚科部会、南多摩皮膚科研究会

問い合わせ先

東海大学医学部付属八王子病院
皮膚科(代表:松山 孝)

指導医:松山 孝

〒192-0032 東京都八王子市石川町1838
Tel:042-639-1111
Fax:042-639-1144