形成外科

形成外科後期研修医プログラム

当科の紹介

東海大学医学部付属八王子病院の形成外科では開院以来八王子市の中核病院として診療にあたってきました。当科では、顔面や体表の先天異常(唇裂口蓋裂など口唇の異常、小耳症や副耳などの耳の異常、先天性眼瞼下垂など瞼の異常、合多指や合多趾症など手足の異常など)、顔面の外傷や顔面骨骨折、下顎前突などの顎変形症、熱傷やきずあとケロイドなど、皮膚腫瘍や皮膚悪性治療の外科的治療、先天性の母斑や血管腫などのレーザー治療、褥瘡や難治性潰瘍手術治療、乳がんなどの悪性腫瘍手術後の再建手術治療、陥入爪(巻爪)、腋臭症(わきが)、しみなどのレーザー治療など多岐にわたる疾患を取り扱っています。

本病院では特にレーザー治療について開院以来数多くの患者さんの治療を手がけており当院の得意分野の一つといえます。先天性に分類される太田母斑(顔面の青あざ)や扁平母斑(茶あざ)異所性蒙古斑(殿部以外の蒙古斑)などQスイッチルビーレーザーによる治療を、また赤あざ(単純性血管腫やイチゴ状血管腫)はパルス色素レーザーによる治療を数多くおこなっています。また他科との協力も多く、乳腺外科の乳房切除に対する腹直筋筋皮弁など様々な科の再建術を協力しておこなっています。

スタッフは現在3名の体制でおこなっており、平成26年度は日本形成外科学会の認定施設として形成外科専門医をめざす後期研修医の募集を行うことが可能になりました。

当科が研修施設として認定されている専門医

(1) 日本形成外科学会専門医(日本形成外科学会)

研修の概要

一般目標

形成外科専門医として患者中心のチーム医療を実践するために必要な、基本的な診察と手技をマスターする。特にプライマリケアに対処しうる第一線の臨床医、あるいは高度の専門性を有する形成外科医師を目指すために必要不可欠な初期診療に関する基本的な知識、技能及び医師に必要な基本的態度、判断力を修得する。

行動目標

  • すべての臨床医に求められる初期診療の基本的臨床能力を身につける。
    1) バイタルサインを正しく把握し、生命維持に必要な初期の処置を的確に行うことができる。
    2) 初期診療に必要な情報収集ができ、迅速に検査、治療計画を立て指示し、かつ実施する。
  • 頻度の高い疾患や外傷の診断と治療ができる
  • 救急の初期治療ができる
  • 適切なタイミングで、他科及び上級医にコンサルテーションできる。
  • チーム医療をよく理解し、他の医師及び医療メンバーと協調できる。
  • 医療情報、診療内容を正しく記録し、正確に他者に伝達できる。
  • 保険診療や医療に関する法令を遵守できる。
  • 患者及びその家族との信頼関係を醸成できる。
  • 疾患の予防、健康管理、リハビリテーションについて理解し、基本的医療計画が立案できる。
  • 形成外科でも扱う末期患者を全人的に理解し、身体症状の管理のみでなく、社会的な側面にも対処できる。
  • 以下に述べるような代表的形成外科的疾患の診断ができる。
    1) 頬骨体部骨折、頬骨弓骨折、鼻骨骨折、眼窩吹き抜け骨折、下顎体部骨折、下顎関節突起骨折
    2) 表皮嚢腫、脂肪腫、脂漏性角化症、基底細胞癌、有棘細胞癌、ボーエン病、乳房外パジェット病 悪性黒色腫
  • 針付糸を使って皮膚縫合ができる。
    顔面を主にした体表面の外傷(挫創、擦過傷など)の処置の仕方(麻酔、消毒、洗浄、縫合など) を修得する。
  • 顔面の皮膚良性腫瘍、母斑の治療として単純切除かそれ以外の方法かの判断ができる。
  • 基本的な手術器具の名称、使用方法が理解できる。
  • 各種レーザー治療に於いてレーザーの種類と適応疾患とが理解できる。
  • 瘢痕の経過と時期に応じた治療法が理解できる。
  • ケロイドと肥厚性瘢痕の鑑別診断ができる。
  • 遊離植皮、有茎皮弁、遊離皮弁の手技の違いと長短所が理解できる。
  • 患者の診察を通して、必要な検査や診断が的確にできる。
  • 顔面のレントゲン写真、CTの読影の仕方、特に骨折の診断法が理解できる。
  • 病変、外傷部、術前、術中、術後とその経過の写真撮影方法が実施できる。
  • 熱傷の診断、治療方針(全身管理と局所管理)が決定できる。
  • 褥瘡糖尿病性潰瘍などの難治性皮膚潰瘍の診断と治療法及び治癒過程が列挙できる。
  • 手術を要する場合、術式の選択や麻酔方法の決定の仕方を説明できる。
  • 治療方針を立てる過程を説明する。
  • 術後のスキンケアーを実践できる。

研修方法

指導医のもと週1-2階の外来診療を行う。
入院患者数名を受け持ち指導医のもと診療を行う。
手術に可能な限り参加し、指導医のもと基本的手術を執刀する。
週1回の術前術後カンファレンスに参加する。

診療実績

形成外科新患者数 959名
形成外科学入院患者総数 181名
形成外科入院手術  
全麻手術 151件
腰麻・伝達手術 0件
局麻手術 30件
<入院手術合計> 181件
形成外科外来手術  
全麻手術 4件
局麻手術 737件
<外来手術合計> 741件
1) 先天異常(唇裂・口蓋裂・頭蓋・顎顔面の異常・小耳症・小眼球症・合指(趾)症など) : 30件/年
2) 外傷(熱傷・顔面骨骨折など : 30件/年
3) 腫瘍(全身の皮膚および軟部組織の悪性腫瘍) : 473件/年
4) 瘢痕・ケロイドなど : 23件/年
5) 母斑・レーザー治療・血管腫 : 292件/年
6) 潰瘍 : 29件/年
7) 美容外科(腋臭症、包茎、肥満、禿髪、隆鼻、豊胸、重瞼など) : 0件/年

問い合わせ先

東海大学医学部付属八王子病院
形成外科(代表:平広之)

〒192-0032 東京都八王子市石川町1838
TEL:042-639-1111
FAX:042-639-1144