内視鏡室

確実・安全・安心!!

内視鏡センタースタッフは消化器内科医師、一般外科医師、看護師、臨床検査技師で構成されています。2018年度の実績件数は、上部消化管内視鏡(GF)8000件、下部消化器内視鏡(CF)3000件でした。以前は手術をして切除しなければならなかった大きなポリープや、早期の粘膜癌も内視鏡を用いて切除可能となった事で、入院期間も短縮し、患者様への侵襲やご負担が少ない医療を提供できるようになりました。

内視鏡の洗浄に関しては、日本消化器内視鏡学会の基準に則り、専用の洗浄機を用いて高水準消毒液である過酢酸を使用し、ウイルスや一般細菌を内視鏡スコープから完全に除去していますので、万全の感染予防対策が成されています。
内視鏡検査と言われると緊張してしまわれる患者様も多くいらっしゃると思いますが、ご希望または医師が必要との判断した際には鎮静剤を使用し苦痛軽減を図る場合があります。苦痛軽減できる一方で、多少のふらつきが数時間継続する場合がありますので、検査時は車でのご来院は必ず控えるようお願い致します。検査は終了すれば終わりではありません。安全にご帰宅出来て初めて検査が終了となります。患者様のご理解ご協力よろしくお願い致します。

 

大腸内視鏡・胃内視鏡検査について

Q 大腸癌、胃癌、特に最近の検査や治療法について話を伺いたいと思います。この二つの癌は日本人に多い癌なのですか?
A そうですね。最近、胃癌は少し減ってきており、女性ですと大腸癌が特に増えてきています。
Q 食生活の変化というのがそんなに大きいのですか?
A だいぶ肉食、或いはライフスタイルの欧米化等が言われておりますが、最近では慢性便秘等から女性のS状結腸癌がかなり増えていると思います。
Q S状結腸癌ですか? 一口に大腸癌と言ってもやはり色々細かく分けられるのですか?
A 場所によって色々な特徴が有ります。
Q 検査の段階を中心に話を伺いたいのですが、今は内視鏡検査が主になるのですか?
A 胃癌の検査の場合、昔はバリウム検査が主流でしたので、ピンポン球くらいの病変にならないと“しこり”としては、はっきりと写らない、或いははっきりと診断できないという状況が多かったようです。しかし、最近では内視鏡(胃カメラ)を入れると瞬時に微小病変が見えてしまうという状況です。
Q かなり小さくても判るのですか?
A 色々なやり方があるのですが、基本的には患者様の前に内視鏡の画面が有り、微小病変を大体2~3ミリのものまではご本人でもご覧になれます。
Q 胃カメラの場合でも大腸カメラでも準備は一緒ですか?
A 大腸の場合は前日から食事制限をし、当日に下剤を服用し腸管洗浄、腸内洗浄をした上でお尻からカメラが入るわけですが、胃カメラは問い合わせて頂ければその日に食事さえしていなければ、すぐに入れられる施設が最近では増えております。
Q 初めて受診したその日にその場でもですか?
A 出来れば前もって問い合わせて頂きたいのですが、内視鏡に力を入れている病院であれば心窩部(みぞおち)、或いは上部消化管系(十二指腸まで)の症状でお見えになった方には外来枠で内視鏡検査をして、帰る時にはある程度結果が出ているというスタイルをとる様にしています。
Q では何となく胃が痛いと言っても逆に胃カメラを飲まされてしまうという事ですか?
A カメラに対して苦痛をお持ちの患者様もいらっしゃると思いますが、最近の一般検査としては外来で、全身の緊張状態をとり除き喉の反射を軽減したり、不安を和らげるよう軽い鎮静剤を注射する施設が多いようです。そのためリラックスして喉の圧迫感や不快感を感じない状態で画面を見ることができ、大丈夫ですよ、或いはちょっとただれていますね(びらん)、場合によっては小さな2-3ミリの怪しい細胞を伴う病変が、などという話になってくる訳です。少なくとも1センチレベルの病変は外来ベースの内視鏡検査であっという間にわかります。
Q ミリ単位の病変というのはその段階で細胞を採るのですか?
A 一応組織を採って、ちょっと怪しい細胞が出ていますから三ヶ月後、或いは半年後にもう一回見てみましょう等、診断と次のプロセスに繋げていくという形態をとります。胃カメラは嫌だな、或いは病院へ行って検査をしたくないなと思う前に、ちょっと相談して胃カメラを我慢すればその場で診断や方向性が決まるというのが、最近の消化器の診断方法です。
Q 胃カメラで何分くらい掛かるのでしょうか?
A 前処置として喉に十分麻酔をしてから検査そのものは5-10分です。あっという間です。何もなければ何もないという画面を一緒にご覧になって頂けますし、場合によっては組織をつまむ所まで御希望があればお見せすることも可能です。
Q 5-10分の検査を我慢するか、ずっと不安を抱えるかという事ですか?
A 考える程の辛さはもう無いと思います。
Q どのくらいのペースで内視鏡検査をすれば良いのですか?
A 専門的に言いますと、胃は半年或いは一年に一度は最低やって頂きたいです。大腸はポリープが無い方、何でも無かったですよ、大丈夫ですよ、という方では二年に一度くらいです。
Q そうですか。そのくらいの間隔でやっていると安心ですか?
A 少なくとも胃癌、大腸癌で急に・・・という事は無いです。
Q 積極的に検診を受けようという方は、最初の時に朝ご飯を食べずに病院に行った方が良いという事ですか?
A 出来れば事前に問い合わせて頂ければ・・・。

 

大腸内視鏡・胃内視鏡による治療(内視鏡的治療)について

Q 最近の大腸癌、胃癌について話を伺っております。問い合わせておけば初めて外来に行ったその日に、胃カメラを飲むという事も珍しくないということでした。そのくらい内視鏡の方が簡単に細かい所も見られるという事です。そこでもし病変が見つかってしまった場合ですが、その後どの様な道をたどる事になりますか?
A 内視鏡診断で少し病変が有るという場合は、2センチくらいまでの大きさが一般的ですが、この場合は開腹手術ではなく内視鏡的に病変・組織を採取するという処置を行います。診断するのではなく、内視鏡的粘膜切除術(EMR)と言われる治療的手技を行います。 この内視鏡的粘膜切除術は、陷凹した潰瘍の様な病変には、なかなか適応が無いのですが、例えば大腸は比較的隆起した病変が多いので、2センチくらいですとカウボーイのワイヤーの様なものを掛けて電気でツッーと焼き切る手法をとります(内視鏡的ポリペクトミー/内視鏡的粘膜切除術)。最近では、胃でも隆起形の1-2センチの病変で有ればこの手法を選択する機会が増加しております。これは治療と診断が両方出来るということであり、内視鏡診断であり治療でもあり最先端と言えます。
Q 一回内視鏡を入れるだけでここまで出来てしまうという事ですか?
A 外来で内視鏡治療を行う、行わない、という事は大体まず組織を生検診断として針で一部採り、ある程度この治療が可能かどうかという事を診断しなければなりません。時々胃や腸に穴が空いてしまう穿孔、或いは内視鏡治療が終わった後の出血等の事例に対し、患者様とご家族に充分に説明し、同意を得た後、2泊3日、或いは3泊4日など短期入院をして頂き、その隆起した小さな病変を内視鏡で削り取ってしまうのが一般的な流れです。
Q この手技が可能な大きさというのはどのくらいの病変までですか?
A 胃だと隆起した1~2センチくらい、大腸は色々な適応が有りますが、やはり1~2センチまでが安全ではないかと思います。3センチ以上で枠を広げている先生方もいますが、一般的には小指の頭半分くらい、或いは小指の頭ちょっと小さめくらいと覚えて頂ければ良いかと思います。
Q それ以上の大きさになると、またちょっと処置・手法が変わってくる訳ですか?
A いよいよ外科、或いは手術という雰囲気が強くなってくるわけです。まず内視鏡を駆使して内視鏡治療で切除を可能にすることを考え、そして場合によっては手術ということです。例えば胃癌で1~2センチのいわゆる早期胃癌というタイプは内視鏡治療ではなくて手術治療になりますが、一般的に隆起型=少し盛り上がったタイプで輪っかを掛ければギューと絞り込める様な病変は、内視鏡治療の一番の適応ですね。粘膜の下に潜っていくタイプ、いわゆる月面のクレータの様な陷凹したものに関しては、それを更に削るという処置は、内視鏡では未だ非常に難しいというのが現状です。
Q 凹んだクレータ様のタイプのものも結構有るのですか?
A 一般的に胃癌の手術適応になるタイプは殆どが陷凹型です。潰瘍型で下に深く掘れたものの周りに少し浅い陷凹が有って、そこに癌細胞がパラパラと散らばっているタイプ、このような病巣では、やはり手術でしっかり切除しなければなりません。明らかに隆起してくるタイプの病巣で下に潜っていないものであれば、ワイヤーを掛けて綺麗に採り切れるというのが一番の適応ですが、胃よりも大腸の方がそのような機会は多いです。
Q そのような機会? 頻度に差があるのですか?
A 大腸内視鏡治療では隆起型が殆どです。
Q 患者様に出来た病巣・病変によって説明を十分に受けてから、どの治療法を選択するかが決まっていくという事になるわけですか?
A はい、そうです。