臨床工学技術科
概要
臨床工学技術科は臨床工学技士21名（男性14名、女性7名）で構成されています。 病院には様々な医療機器があり、これらの医療機器が常に最良の状態で正しく使用されなければなりません。そのためには医療機器に精通したスタッフが保守点検管理を行い、操作する必要があります。医療機器に関する正確な知識と技術を取得し、チーム医療の円滑な推進を医療と工学の知識を持って支える専門の医療技術職が臨床工学技術士です。当科では2交代勤務（夜勤）により24時間いつでも対応できる体制を敷いており、安全な医療を提供できるように努めています。
業務の内容
・機器管理業務
MEセンターでは、生命維持管理装置をはじめ5000台を超える医療機器を管理・運用しています。医療安全対策部と常に情報共有を行い、医療機器に関する事故防止に努めています。また、医師や看護師などの院内スタッフに対し、医療機器の安全使用のための研修会を定期的に企画・開催しています。特に集中治療域となる重傷病棟においては、人工呼吸など生命維持に関する医療機器が多いため操作方法を取得し、院内で発生した機器のトラブルや問い合わせに対して迅速に対応できるよう努めています。
・手術室業務
手術室は最新医療機器が続々と導入され管理する医療機器が増えていることから、スタッフが常駐して対応しています。全身麻酔器の日常点検に加え、ロボット支援下手術装置（hinotori)やナビゲーション装置、術中神経モニタリング、ラジオ波焼却術等の臨床業務対応を行っています。陰ながら医師や看護師をサポートし、円滑且つ安全に手術が進行するように努めております。
・人工心肺業務
現在4名の体外循環認定士が在籍しており、人工心肺装置においては日本体外循環技術医学会勧告における安全設置基準をすべて満たしております。また、PCPSやECMO（体外式模型人工肺）等、院内で行われる体外循環関連業務はすべて管理しています。医師や看護師と情報共有を行い、安全な体外循環となるよう「チーム」で日々研鑽を積んでおります。
・血液浄化業務
血液浄化センターでは、各種血液浄化（血液透析、血液濾過、血液透析濾過、オンラインHDF、血液吸着、血漿交換、二重膜濾過血漿交換、血漿吸着、腹水濾過濃縮再静注）における準備・操作及び血液浄化装置の保守管理を行っています。また徹底した清浄化管理を心掛けており、安全な透析液が作成できるよう管理しています。在宅透析治療の導入もサポートしており、機器操作の指導やトラブル対応、自宅でのメンテナンスを行っています。患者様の生活と環境に合わせた腎代替療法が選択できるように、各種整備を行っております。
・血液造影室業務
血液造影室業務では主に心臓カテーテル治療と不整脈治療があり、血液造影室内の生命維持管理装置や医療機器の管理・操作を行っています。心臓カテーテル治療では、血管内イメージング装置やデバルキングデバイスなど治療に関連する機器の操作を担当します。急変時は補助循環装置の導入対応を行うため、医師・看護師・放射線技師とのシミュレーショントレーニングを定期的に行っています。不整脈治療では、植え込み型心臓デバイスのプログラミングや定期チェック、カテーテルアブレーションの三次元マッピング装置や心内電気刺激装置、ポリグラフ、アブレーターの操作・管理を担当しています。精度の高い技術をていきょうするために、計画的な人材育成と多職種とのチーム医療連携を心掛けております。
・内視鏡業務
2024年度より当科で業務参入した、新しい部門領域となります。内視鏡室に常駐している内視鏡技師（臨床検査技師）と共に、検査・治療の補助や内視鏡関連機器の管理を行っています。医師、看護師、内視鏡技師と連携しながら安全な処置となるようサポートしています。
ご挨拶
臨床工学士は、生命維持管理装置の操作および保守点検、管理を業務としています。当院の臨床工学技術科では、以下の目標を達成するために日々研鑽を積んでおります。
1.)自信と誇りを持てる高いレベルで業務を行う部門であること
2.)患者様や病院に対して、大きく貢献する部門であること
3.)スタッフ個人のスキルが生かされる部門であること
医療機器の操作および保守管理のスペシャリストとしてチーム医療に参画し、医師、看護師、その他医療機器に関連するすべての職種と連携を取りながら、患者様が24時間365日安心して治療を受けることができるように日々努力しています。医療機器についてご不明な点がございましたら、いつでも臨床工学技士にお尋ねください。
臨床工学技術科 科長補佐
藤田 貴宏