泌尿器科

    ご挨拶

    当科は、2002年の開院以来、八王子市および近隣市町村を含め、西東京また山梨県など近隣県からも積極的に患者さんの受け入れを行ってきました。泌尿器科疾患は、悪性腫瘍、排尿障害、尿路結石症、女性に認められる骨盤臓器脱、腎嚢胞や腎盂尿管移行部狭窄症など先天的要因によるものなど多岐にわたりますが、当科ではあらゆる疾患に対応できる体制を整えています。
    前立腺がん診療では、核磁気共鳴画像を使用した高精度前立腺生検(厚生労働省先進医療承認)をいち早く導入し、国内外で高い評価を得ています。また、腎細胞がん、腎盂尿管がん、副腎腫瘍、腎盂尿管移行部狭窄症、尿膜管遺残症などに対する腹腔鏡手術は多くの経験を有します。2015年11月からは、日本で初めて、前立腺肥大症に対する内視鏡治療に、Thulium laserを導入し、効果的で、安全な手術が従来よりも短期入院で可能になりました。
    当科は、熟練した技術と最先端の知識をもとに、個々の患者さまに最も適した治療を行うと同時に、地域医療に貢献し、さらには最先端の医療をこの八王子から世界に発信する泌尿器科を目指し、日々邁進しています。患者さま、医療関係者の皆様におかれましては、今後とも、当科を宜しくお願い申し上げます。

    診療内容

    多彩な前立腺がん治療

    当科が開始した高精度前立腺生検(厚生労働省先進医療承認技術)により、前立腺がんの状態を正確に把握し、無治療経過観察(PSA監視療法)、手術療法、放射線療法、がん部分治療(局所療法)など、個々の患者さんに合った治療選択肢を提供しています。当院では、強度変調放射線治療や、高密度焦点式超音波療法を用いた治療が実施可能です。

    前立腺がんに対する高密度焦点式超音波療法
    (high-intensity focused ultrasound: HIFU)

    より低侵襲的な治療法を目指して、世界に先駆けて1999年1月から開始しました。これまでの15年間に、1370例の前立腺がん患者さんに対して、本治療法を施行してきました。外来での治療(日帰り)から、最長で3泊4日の入院期間で治療を行い、良好な治療成績が得られています。

    安全で、傷が目立ちにくい腹腔鏡手術

    2008年4月から、本格的な腹腔鏡手術を開始しました。現在までに、110名以上の患者さんに対して、安全で、目立ちにくい傷での手術を行ってきました。これまでに、当科で治療された主な対象疾患、および術式として、前立腺がんに対する腹腔鏡下根治的前立腺摘除術、腎腫瘍に対する腹腔鏡下根治的腎摘除術、腎盂・尿管腫瘍に対する腹腔鏡下腎尿管摘除術、腎盂尿管移行部狭窄症に対する腹腔鏡下腎盂形成術、副腎腫瘍(原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫など)に対する腹腔鏡下副腎摘除術、尿膜管遺残症に対する尿膜管切除術が挙げられます。

    合併症の少ない経尿道的切除術

    当科では、1年間で約100症例以上の前立腺肥大症に対する経尿道的前立腺切除術、約100症例近くの膀胱腫瘍に対する経尿道的膀胱腫瘍切除術を施行しています。特に、サイズの大きな前立腺や、膀胱腫瘍に対する経尿道的切除術では、長時間の手術でも身体に影響が出にくい経尿道的切除システム(TURisシステム)を導入し、安全で効果的な治療を行っています。

    精度が高く、がんの局在診断を可能にする前立腺生検

    本技術は、MRIにより前立腺内部におけるがんが疑われる部位の局在を把握し、前立腺生検ワークステーションBioJet®システムを用いて、がんを疑わせる部位に正確に生検針を穿刺し、組織採取するため、従来よりも正確な生検が可能です。また、これまで不可能とされてきた前立腺内部におけるがん局在診断を可能とする技術として、国内外で注目され、厚生労働省から先進医療として承認されました。
    前立腺がんの局在診断とは、前立腺内部におけるがんの“どこに”“どのような大きさ”“どのような悪性度”という情報を診断するもので、個々の患者さんのがんの状態を把握し、がん治療と生活の質を考慮して、個々の患者さんに適した前立腺がん治療(手術、放射線治療、無治療経過観察、局所療法など)を可能にすると考えられています。

    体外衝撃波結石破砕術(ESWL)および経尿道的尿管結石破砕術(TUL)による尿路結石の治療

    当科では、腎・尿管結石に対して、患者様の状況に合わせて、ESWL(年間約80例)、あるいはTUL(最新鋭の軟性尿管鏡とレーザーを使用)(年間約40例)による尿路結石の治療を行い、高い治療効果が認められています。

    主な対象疾患

    悪性腫瘍

    前立腺がん

    当科が独自に開始した高精度前立腺生検(厚生労働省先進医療承認技術)により、前立腺がんの状態を正確に把握し、無治療経過観察(PSA 監視療法)、手術療法、放射線療法、がん部分治療(局所療法)など、個々の患者さんに合った治療選択肢を提供しています。当院では、強度変調放射線治療や、高密度焦点式超音波療法を用いた治療が実施可能です。

    腎細胞がん・腎盂、尿管腫瘍

    豊富な経験を活かし、積極的に腹腔鏡手術による低侵襲治療を行っています。

    小径腎がん

    4cm以下の小さな腎がんは腎機能温存の点で優れている腹腔鏡下腎部分切除術を積極的に行っています。

    膀胱がん

    早期がんの患者さんには、短期入院で経尿道的内視鏡手術を行っています。局所進行がんの患者さんには、患者さんの状態に合わせて、外科的治療(膀胱全摘)や温存治療(動注化学療法および放射線治療)を行っています。

    精巣がん

    診断後、速やかに手術ができる体制が整っています。必要に応じて、化学療法も迅速に開始します。

    排尿障害

    前立腺肥大症

    薬物治療や経尿道的内視鏡手術を行っています。従来から、低侵襲手術である経尿道的前立腺切除システム(TURis システム)に加え、前立腺肥大症に対する内視鏡治療に、Thulium laser を導入し、効果的で、安全な手術が短期入院で可能になりました。

    過活動性膀胱

    各種排尿機能検査を実施し、適切な評価を行った後に、理学療法や生活指導、薬物療法を行います。難治例には、仙骨神経刺激療法(SNM)を検討します。

    尿道狭窄症

    従来からの内尿道切開術や自分の組織を用いた尿道形成術も始めています。

    尿路結石症

    腎結石、尿管結石、および膀胱結石症に対して、経尿道的尿管結石破砕術(軟性尿管鏡、レーザーを使用)や体外衝撃波結石破砕術を行っています。

    副腎腫瘍

    内分泌内科医と連携し、腹腔鏡手術を行っています。

    女性泌尿器疾患

    腹圧性尿失禁や、骨盤臓器脱に対して各種検査で評価した後、薬物療法と手術療法を行っています。

    腎盂尿管移行部狭窄症・尿膜管遺残症

    腹腔鏡手術により、小さな傷での手術を実施しています。

    主な診療実績

     

     

    医師一覧

    医師名 座光寺 秀典(ざこうじ ひでのり) ,Hidenori Zakoji
    身分 教授
    専門分野 泌尿器科全般
    専門領域 副腎腫瘍、排尿障害、泌尿器腹腔鏡下手術、尿路再建治療
    専門医・認定医 日本泌尿器科学会指導医、日本泌尿器科学会専門医、日本泌尿器内視鏡学会認定腹腔鏡技術認定医、日本泌尿器内視鏡学会ロボット手術支援プロクター、日本内視鏡外科学会技術認定医(泌尿器腹腔鏡)、日本内分泌甲状腺外科学会専門医、日本ロボット外科学会ロボット手術認定医、日本がん治療認定医機構がん治療暫定教育医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医
    医師名 小路 直(しょうじ すなお) ,Sunao Shoji
    身分 准教授
    専門分野 尿路性器腫瘍、排尿障害
    専門領域 前立腺がんに対するがん局所療法(高密度焦点式超音波療法)、画像診断技術を応用した高精度前立腺生検、腎・副腎腫瘍に対する腹腔鏡手術、前立腺肥大症に対する経尿道的内視鏡手術(ツリウムレーザー)、がんの薬物治療(分子標的治療薬、化学療法)
    先進医療推進機構のホームページを参照してください。http://www.ampo.jp/movies/vol76
    専門医・認定医 日本泌尿器科学会専門医、日本泌尿器内視鏡学会認定腹腔鏡技術認定医、日本内視鏡外科学会認定腹腔鏡認定医、日本医師会認定産業医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医
    医師名 中野 まゆら(なかの まゆら) ,Mayura Nakano
    身分 助教
    専門分野 泌尿器科全般
    専門領域 女性泌尿器疾患、泌尿器腹腔鏡下手術
    専門医・認定医 日本泌尿器科学会専門医、日本泌尿器科学会指導医、日本泌尿器内視鏡学会認定腹腔鏡技術認定医
    医師名 小川 貴博(おがわ たかひろ) ,Takahiro Ogawa
    身分 助教
    専門分野 泌尿器科全般
    専門領域 尿路結石治療、泌尿器内視鏡手術
    医師名 花田 いずみ(はなた いずみ) ,Izumi Hanata
    身分 臨床助手
    専門分野 泌尿器科全般
    専門領域 女性泌尿器疾患、泌尿器内視鏡手術
    医師名 内田 豊昭(うちだ とよあき) ,Toyoaki Uchida
    身分 非常勤医師
    専門分野 尿路性器腫瘍
    専門領域 前立腺がん(高密度焦点式超音波治療)
    専門医・認定医 日本泌尿器科学会専門医・指導医
    医師名 朝長 哲朗(ともなが てつろう) ,Tetsuro Tomonaga
    身分 非常勤医師
    専門分野 泌尿器科全般
    専門医・認定医 日本泌尿器科学会専門医

    診療担当表

     
    午前 小路 直
    中野 まゆら
    座光寺 秀典(1・2・3・5)
    中野 まゆら(1・5)
    花田 いずみ(2)
    小川 貴博(3)
    小路 直(4)
    小路 直
    小川 貴博
    花田 いずみ
    座光寺 秀典
    朝長 哲朗
    座光寺 秀典
    中野 まゆら
    小川 貴博
    座光寺 秀典(2・5)
    小川 貴博(2)
    中野 まゆら(4・5)
    花田 いずみ(4)
    午後 小路 直
    中野 まゆら
    小路 直
    小川 貴博
    花田 いずみ
    座光寺 秀典
    朝長 哲朗
    座光寺 秀典
    中野 まゆら
    小川 貴博
    専門外来 午後 【排尿障害外来】
    座光寺 秀典
    【排尿障害外来】
    座光寺 秀典
    【女性泌尿器外来】
    中野 まゆら

    研究

    1. 泌尿器悪性腫瘍に対する低侵襲治療に関する研究

    • a. 高密度焦点式超音波療法による前立腺がん治療に関する研究
    • b. 泌尿器悪性腫瘍に対する手術支援ナビゲーションシステムの活用に関する研究
    • c. 限局性前立腺がんに対する局所療法の確立
    • d. 限局性前立腺がんに対するActive Surveillanceに関する研究
    • e. 腎細胞がんに対する腹腔鏡手術に関する研究

    2. 前立腺がんの高精度診断および局在診断に関する研究

    • a. マルチメトリックMRI(核磁気共鳴画像)を用いた前立腺がんの診断
    • b. MRI-TRUS(経直腸的前立腺超音波画像)融合画像を用いた前立腺生検によるがん局在診断方法の確立

    3. 転移性腎細胞がんに対する集学的治療に関する研究

    • a. 腎細胞がん術後の転移予測マーカーに関する研究
    • b. 転移性腎細胞がんに対する分子標的治療薬に関する研究

    4. 前立腺肥大症に対する内視鏡手術に関する研究

    • a. 生理食塩水を用いた経尿道的前立腺切除術に関する研究
    • b. レーザーを用いた経尿道的内視鏡手術に関する研究

    5. 尿路結石症に対する治療に関する研究

    • a. ホロニウムレーザーを用いた経尿道的尿管結石破砕術に関する研究
    • b. 体外衝撃波結石破砕術に関する研究

    6. 良性疾患に対する腹腔鏡手術に関する研究

    • a. 副腎腫瘍に対する腹腔鏡手術に関する研究
    • b. 尿膜管切除術に対する腹腔鏡手術に関する研究
    • c. 尿管結石に対する腹腔鏡下尿管切石術に関する研究