耳鼻咽喉科・頭頸部外科

    診療内容

     耳鼻咽喉科・頭頸部外科は、「耳」「鼻」「のど」の比較的狭い領域を担当する診療科 と考えられがちですが、実際は首から上で脳神経内科や脳神経外科が担当する脳と脊 髄、眼科が担当する眼球、歯科が担当する歯・歯肉を除く頭部および頸部の広範囲に わたる領域を担当しています。

     また、担当する領域が広いというだけでなく、風邪や花粉症、鼻出血、中耳炎、めまいなど、どなたでも一度は経験したことのあるような疾患の診療から、聴力改善手術などの専門性の高い診療まで大変幅広い診療内容を特徴としています。
     聴覚・嗅覚・味覚・平衡感覚などを扱う感覚器のエキスパートとして、患者さまの不安を取り除き、生活の質(QOL)を維持・向上させられるよう心掛けています。

    主な対象疾患

    1.鼻・副鼻腔疾患に対する診断治療

     鼻副鼻腔疾患に対し、経鼻内視鏡、副鼻腔 CT・MRI を使用し、多角的に診断を行います。保存的治療で改善が難しい慢性副鼻腔炎や、難病指定の好酸球性副鼻腔炎、その他副鼻腔嚢胞に対しては、鼻腔から内視鏡を挿入し、モニターを見ながら手術をすすめる内視鏡下鼻・副鼻腔手術(ESS)を行っています。手術は 4K 技術搭載の内視鏡システムとナビゲーションシステムを併用しており、より安全に、より低侵襲に行うことが可能です。鼻中隔弯曲症に対する鼻中隔矯正術や、アレルギー性鼻炎に対する下鼻甲介手術や日帰りの鼻粘膜レーザー焼灼術なども行っています。一般的な鼻手術の場合、基本的には全身麻酔下に手術を行い、5-6日間の入院となります。手術以外の治療としては好酸球性副鼻腔炎に対するデュピルマブやアレルギー性鼻炎に対するオマリズマブ、舌下免疫療法も行っています。

    2.耳疾患 に対する診断治療

     標準純音聴力検査、語音聴力検査、聴性脳幹反応(ABR)、耳音響放射検査(OAE)、ティンパノメトリー、耳小骨筋反射検査、内耳道 MRI、中耳 CT などさまざまな検査を組み合わせて評価、診断します。突発性難聴、顔面神経麻痺に対してはステロイド治療を行いますが、重症例に対しては入院管理下で高用量のステロイド治療を行っています。顔面神経麻痺の初期治療後に、予後不良と判断される例には顔面神経減荷術を行うことがあります。
    その他、慢性滲出性中耳炎、慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎に対してはその病態に応じて手術治療(鼓膜tube挿入術、鼓室形成術、リティンパ®を用いた鼓膜形成術)を行っています。

    ■ ABR 検査

     両側の耳たぶと頭部に 2 か所の計 4 か所に電極を貼り付けてベッドに横になり、ヘッドホンから音を聞き、その波形をコンピュータ処理して画面に表します。難聴や脳幹障害の診断に臨床応用が期待できるほか、乳幼児の聴覚障害のスクリーニングとしても使用されます。

    3.咽頭、喉頭疾患に対する診断治療

     急性扁桃炎、扁桃周囲膿瘍など、のどの炎症が高度で、食事摂取が困難な例では入院加療を行っています。扁桃周囲膿瘍では切開術で排膿を促し、早期治癒を目指します。扁桃炎を繰り返す例や、睡眠時無呼吸症候群を引き起こす扁桃肥大例では口蓋扁桃摘 出術を行っています。小児の睡眠時無呼吸症候群ではアデノイド切除術も併施することがあります。
     その他、細径の電子内視鏡を用いて正確な早期診断に努めています。声帯ポリープや声帯結節などの良性疾患に対しては手術治療(喉頭微細手術)を行っています。癌など悪性を疑う例では組織生検で確定診断を行います。治療に関しては必要に応じて専門施設に紹介させていただく場合があります。

    4.頸部疾患に対する診断治療

     甲状腺腫瘍、正中頸嚢胞、側頸嚢胞、頸部リンパ節腫脹、神経鞘腫、リンパ管腫、耳下腺腫瘍、顎下腺腫瘍など、さまざまな疾患に対し、超音波、CT、MRI、穿刺吸引細胞診を行い診断していきます。手術が必要な例では摘出術を行っています。なお悪性リンパ腫を疑う例ではリンパ節生検を行い診断しています。

     

    主な診療実績

    医師一覧

    医師名 酒井 昭博(さかい あきひろ)
    身分 准教授・医長
    専門分野 耳鼻咽喉科、頭頚部外科
    専門領域 耳鼻咽喉科一般、頭頚部外科
    専門医・認定医 日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本がん治療認定医、頭頚部がん専門医、日本耳鼻咽喉科学会指導医、頭頚部がん指導医、頭頚部アルミノックス治療(高免疫療法)認定医、内視鏡下甲状腺手術術者、頭頚部癌ロボット支援手術プロクター
    医師名 山本 光 (やまもと ひかる)
    身分 助教
    専門分野 耳鼻咽喉科学全般
    専門医・認定医 日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会専門医、耳鼻咽喉科専門研修指導医、身体障害者福祉法第15条指定医、難病指定医、めまい相談医、補聴器適合判定医、補聴器相談医、指定航空身体検査医
    医師名 小林 直矢 (こばやし なおや)
    身分 臨床助手
    専門分野 耳鼻咽喉科全般

    診療担当表

     
    午前 山本 光
    小林 直矢
    酒井 昭博 小田桐 恭子
    小林 直矢
    酒井 昭博
    山本 光
    小林 直矢
    山本 光
    輪番
    専門外来 午後 山本 光
    小林 直矢
    小林 直矢
    【補聴器外来】(2・4)