消化器センター

    ご挨拶

     消化器センターは、6階フロアすべてを使用した病床を用いて、消化器内科・消化器外科が垣根なく協力して、救急対応から高度かつ専門的医療まで診断および治療を提供しています。内視鏡診断や治療、低侵襲治療を心掛け、質の高い医療を目指しています。近年は患者様の高齢化が進んでおり併存疾患が多いため診療ガイドライン通りの診療ができず、一人ひとりの状態に応じたきめ細やかな医療と温かいケアを提供しています。消化器センターでは、消化器内科・消化器外科のみならず、画像診断科、病理診断科、栄養科、リハビリテーション科などと定期カンファレンスを行っていて、早期発見・治療から慢性疾患の管理まで包括的なサポートを行っています。

     食道・胃疾患では、消化性潰瘍や食道胃静脈瘤、食道裂孔ヘルニア、食道炎などの診断・治療から、がんの診断・治療を行っています。早期がんであれば臓器温存を考え内視鏡治療や放射線治療などを行い、進行がんであれば抗がん剤に加えて分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などを併用しながらできる限りの治療を行います。手術を要する場合には低侵襲化を図るため、基本的に腹腔鏡下手術を行っています。2024年からは胃がん手術に国産手術ロボットである「Hinotori」を稼働させています。

      大腸疾患では、がんが最も多い疾患となります。早期がんは内視鏡切除を行い、手術が必要な場合には腹腔鏡下手術を行い低侵襲化を図っています。直腸がんの場合には根治性と機能温存のバランスをとりながら、2025年からロボット手術を開始しました。また良性疾患では、増加傾向にある炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)は難病疾患ではありますが、最新の薬物を導入し寛解を目指しています。

    肝疾患は、ウイルス性肝炎は薬物治療を中心に行い、肝臓がんは早期であればラジオ波凝固療法などの局所治療を行い、進行がんの場合には抗がん剤に加えて分子標的薬を使用します。手術を要する場合には腹腔鏡下手術を積極的に導入しています。

     胆膵領域ではMRIを用いたMRCP、内視鏡を用いたERCP、胆管スコープなどにて適時診断・治療を行っています。悪性度が高く予後不良といわれる膵臓がんですが、手術可能な場合には腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術を導入していて、低侵襲治療を提供しております。

    術前合併症を有する消化器癌症例に対するカンファレンス風景

    診療内容