呼吸器内科

    ご挨拶

    当院呼吸器内科では喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺疾患、肺がん等の肺腫瘍、その他の呼吸器疾患(感染性肺結核の診療を除く)に関し八王子市をはじめとする地域の呼吸器疾患の患者さんに対し、地域の診療所および病院と連携をとりながら、急性期あるいは高度医療を中心に診療を行っております。
    今年度は計5名のスタッフで診療に当たらせていただきます。ただやはり医師数は十分ではなく、外来で長時間お待たせしたり、日時や時間帯により専門医の診察が受けられないことが起こりえておりますのでご了承ください。
    まずはかかりつけ医の診察を受けたうえで、事前に診療予約をしていただくか、紹介状をご持参の上受診されることをお勧めします。
    何卒ご理解の程よろしくお願い申し上げます。

    診療内容

    喘息や慢性閉塞性肺疾患、肺炎、肺癌など、呼吸器疾患は増加の一途にあります。また診断技術の進歩、新しい治療法の確立がなされてきており、呼吸器専門医への需要は高まる一方です。当院は日本呼吸器学会をはじめとする各呼吸器系学会認定施設として、高度でかつ優しい医療を提供しています。

    主な対象疾患

    喘息・COPD(慢性閉塞性肺疾患)、間質性肺炎(肺線維症)、肺炎、肺がん、肺高血圧症など呼吸器疾患のほぼ全分野に対応可能です。また呼吸器外科との連携もスムーズですので手術を必要とする肺がん、気胸、膿胸などにも迅速に対応できます。ただし、結核病床が整備されていないため、肺結核および強く疑われる患者さんの診療は行っていません(排菌がないことが確定した方の外来通院治療は可能)。また睡眠時無呼吸症候群の検査については、現在簡易検査のみ行っており、精密検査については、連携医療機関に紹介させていただいております。

    主な診療実績

    気管支喘息

    症状の経過、聴診の所見、呼吸機能検査や負荷呼吸機能検査、原因となるアレルギーを調べる血液検査(IgE など)、喀痰中の好酸球の測定などを行い、総合的に診断します。発作予防には、吸入ステロイド、長時間作用型β刺激薬、抗ロイコトリエン拮抗薬などを併用します。上記の治療でも病状が思わしくない方に対しては、適応のある方に抗IgE 抗体療法を行っています。またピークフローメーターや喘息日記などを用いた病状の管理、病態の理解を深める教育指導なども行っています。

    ※気管支喘息についての詳細(Q&A)はこちらのページをご参照ください。

    慢性閉塞性肺疾患(COPD)

    以前は肺気腫や慢性気管支炎と呼ばれていた慢性閉塞性肺疾患(COPD)は高齢化に伴い増加しており、現在注目されています。呼吸機能検査で診断します。治療は、まずは禁煙です。症状が進んでいる方には、気管支拡張薬の吸入療法を行います。在宅酸素療法や呼吸リハビリ目的の教育入院(5 〜7 日)も行います。

    ※慢性閉塞性疾患についての詳細(Q&A)はこちらのページをご参照ください。

    呼吸器感染症

    外来や入院での抗菌薬の内服・点滴治療から集中治療室(ICU)での治療まで、重症度に応じた治療を行っております。慢性呼吸器感染症に対しては、マクロライドの少量長期治療や漢方療法などを行っています。

    呼吸器系腫瘍(肺がんなど)

    呼吸器内視鏡(気管支鏡、胸腔鏡)検査を行い、組織診断を行います。胸部CT 検査、腹部CT 検査、腹部超音波検査、頭部MRI 検査、PET 検査や骨シンチグラフィなどの核医学検査(他院)を行い、腫瘍の進行度を決定します。手術適応例は呼吸器外科に依頼し、手術を検討します。手術非適応例に対しては、化学療法や放射線治療科と協力して放射線治療を行います。患者さんの状態と治療内容により外来治療センターを用いた外来化学療法も行っています。

    間質性肺疾患

    間質性肺疾患は、肺胞の壁が炎症または線維化により厚くなり、酸素と二酸化炭素の交換が十分に行われなくなる疾患の総称です。初期には自覚症状がなく、健康診断などで発見される場合もあります。進行すると、咳、痰、動作時の息切れが出現し、さらに進行すると安静にしていても息が苦しくなります。当科で血液検査、胸部X線・CT などの画像検査、呼吸器内視鏡(気管支鏡)検査などを行い、必要ならば呼吸器外科と連携して胸腔鏡(VATS)検査を行います。これらの疾患には治療法が確立していないものもありますが、十分なケアを行っていきます。間質性肺疾患の診断は、原因のあるものと原因不明なものとの見分けが重要となります。当科で血液検査、胸部X線・CTなどの画像検査、呼吸器内視鏡(気管支鏡)検査などを行い、必要ならば呼吸器外科と連携して胸腔鏡(VATS)検査を行います。これらの疾患には治療法が確立していないものもありますが、十分なケアを行っていきます。

    慢性呼吸不全

    慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺疾患、肺結核の後遺症などにより、血液中の酸素が常に不足した状態となる場合があります。そのような方に対しては自宅でも酸素が吸入できる在宅酸素療法を行います。また、高炭酸ガス血症が重症の場合、在宅人工呼吸器を用いた治療を行います。

    入院患者数(1日平均)

    2016年度 24.0人

    外来患者数(1日平均)

    2016年度 44.5人

    気管支鏡検査人数

    2016年 のべ136例

    呼吸機能検査人数

    2016年 月平均300~400例

    医師一覧

    医師名 坂巻 文雄 (さかまき ふみお)
    身分 教授
    専門分野 呼吸器内科
    専門領域 肺循環障害、呼吸不全、肺癌化学療法
    専門医・認定医 日本内科学会 総合内科専門医、日本呼吸器学会 指導医・呼吸器専門医、日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡指導医・専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本肺高血圧・肺循環学会
    医師名 田崎 厳 (たざき げん)
    身分 講師
    専門分野 呼吸器内科
    専門領域 慢性閉塞性肺疾患、喘息、呼吸器腫瘍
    専門医・認定医 日本内科学会総合内科専門医
    医師名 近藤 祐介 (こんどう ゆうすけ)
    身分 助教
    専門分野 呼吸器内科
    専門領域 睡眠呼吸障害、呼吸器内科一般
    専門医・認定医 日本内科学会 認定医、日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医、日本老年医学会 老年病専門医、日本アレルギー学会専門医、日本禁煙学会 認定専門指導者、日本がん治療認定医機構がん治療認定医
    医師名 高橋 玄樹 (たかはし げんき)
    身分 助教
    専門分野 呼吸器内科
    専門領域 アレルギー性疾患、肺腫瘍
    専門医・認定医 日本内科学会 内科認定医
    医師名 岡田 直樹(おかだ なおき)
    身分 臨床助手
    専門分野 呼吸器内科
    専門医・認定医 日本内科学会 内科認定医

    診療担当表

     
    午前 田﨑 厳
    坂巻 文雄
    田﨑 厳
    近藤 祐介
    坂巻 文雄
    田﨑 厳
    近藤 祐介
    高橋 玄樹
    (1・3)
    坂巻 文雄
    (2・4・5)
    坂巻 文雄
    田﨑 厳
    高橋 玄樹
    岡田 直樹
    午後 田﨑 厳
    坂巻 文雄
    田﨑 厳
    近藤 祐介
    坂巻 文雄
    田﨑 厳
    近藤 祐介
    高橋 玄樹
    (1・3)
    宇留間 友宣
    (2・3・5)
    坂巻 文雄
    (3 除く)
    田﨑 厳

    研究

    現在行っている研究

    医師が大幅に入れ替わったこともあり、各スタッフの経験をいかした研究テーマを今後立ち上げ、進行させていく所存です。
    現在進行または考案中のテーマとして
    1)二次性肺高血圧症に対する有効かつ安全な薬物療法
    2)併存症がある肺癌患者への至適治療方法の検討
    3)肺癌化学療法における合併症の機序と予防法
    4)肺癌におけるEGFR-TKI薬への耐性獲得とその対処
    5)睡眠呼吸障害と併存症(とくに喘息・COPDの増悪因子として)
    6)慢性呼吸器疾患・慢性呼吸不全患者への多職種医療チームとしてのアプローチ

     

    研究実績

    以下に現在のスタッフの最近の発表業績を挙げます。興味のある方は是非一緒にやりませんか。

    論文・総説・著書(最近3年間)

    1. Aoki T, Ebihara A, Yogo Y, Suemasu K, Sakamaki F.? Analysis of Continuous First-line Treatment with Docetaxel and Carboplatin for Advanced Non-Small Cell Lung Cancer. Oncology letters 2014 (accepted for publication dated on 14-08-2013).
    2. Miyazaki M, Nakamura H, Chubachi S, Sasaki M, Haraguchi M, Yoshida S, Tsuduki K, Shirahata T, Takahashi S, Minematsu N, Koh H, Nakamura M, ?Sakamaki F, Terashima T, Sayama K, Jones PW, Asano K, Betsuyaku T and The Keio COPD Comorbidity Research (K-CCR) Group. Analysis of comorbid factors that increase the COPD assessment test scores. Respiratory Research 2014, 15: 13.  doi:10.1186/1465-9921-15-13
    3. 菊池隆秀, 坂巻文雄, 谷山大輔, 土橋酉紀, 山岸拓也, 北原光夫. 指定介護老人福祉施設における血清型11A肺炎球菌性肺炎のアウトブレイク. 感染症誌(感染症学雑誌) 2014; 88: 149-154.
    4. Matsusaka M, Kabata H, Fukunaga K, Suzuki Y, Masaki K, Mochimaru T, Sakamaki F, Oyamada Y, Inoue T, Oguma T, Sayama K, Koh H, Nakamura M, Umeda A, Ono J, Syouichiro Ohta, Izuhara K, Asano K, Betsuyaku T. Phenotype of asthma related with high serum periostin levels. Allergology International 2015 Apr;64(2):175-80. doi: 10.1016.
      Japanese Society of Allergology
    5. Tanabe N, Taniguchi H, Tsujino I, Sakamaki F, Emoto N, Kimura H, Takamura K, Hanaoka M, Nishimura M, Tatsumi K; JRS Lung Disease PH Study Group.? Multi-institutional retrospective cohort study of patients with severe pulmonary hypertension associated with respiratory diseases. Respirology. 2015 ;20. 805-812. doi: 10.1111/resp.12530.
    6. Fumio Sakamaki. Pulmonary Hypertension and Inflammation/Infection. Intern Med 55: 1409-1410, 2016. (DOI: 10.2169/internalmedicine.55.6415)
    7. Miyawaki M, Naoki K, Toda S, Nakayama S, Satomi Y, Sato T, Ikemura S, Ohgino K, Ishioka K, Arai D, Namkoong Ho, Otsuka K, Miyazaki M, Tani T, Kuroda A, Nishino M, Yasuda H, Kawada I, Koh H, Nakamura M, Terashima T, Sakamaki F, Sayama K, Betsuyaka T, Soejima K. Erlotinib as second? or third?line treatment in elderly patients with advanced non?small cell lung cancer: Keio Lung Oncology Group Study 001 (KLOG001).? MOLECULAR AND CLINICAL ONCOLOGY 6:? 409-414, 2017. DOI: 10.3892/mco.2017.11119)
    8. 坂巻文雄. 2. 肺高血圧症. ガイドライン外来診療2014(II. 専門医の管理・治療が必要なガイドライン;呼吸器疾患). 泉 孝秀編. 日経メディカル開発(東京), 2014年4月, pp.441-443.
    9. 坂巻文雄. 右心カテーテル法. 新 呼吸器専門医テキスト(総論IV検査14-F). 日本呼吸器学会編. 南江堂(東京都), 2015年4月, pp153-155.
    10. 坂巻文雄.? 第1章 定義・病態・分類 「臨床分類」. 最新医学」別冊 診断と治療のABC 104肺高血圧症.23-29, 2015 (5月).
    11. 坂巻文雄. 肺動脈性肺高血圧における凝固・線溶機能;1. 病因における凝固・線溶系の関与.血栓と循環 23 (3) 149-153; 2015 (September).
    12. 坂巻文雄.肺疾患および/または低酸素血症による肺高血圧症の病態,治療方針と予後について教えてください.肺高血圧症~早期診断・治療のための~Q&A (PART 3, Q19). 福田恵一編. 先端医学社(東京都), 2015年8月, pp120-124.
    13. 坂巻文雄、海老原明典.糖尿病と呼吸器疾患.糖尿病におけるmultimorbidity. 松岡健平編. 南山堂(東京都), 2017年3月, pp254-259.
    14. 坂巻文雄.肺実質疾患がある患者にアミオダロンは禁忌か?;Ⅲ. 心室性不整脈-その常識は正しいか-.救急・集中治療. 29 (No. 3・4) 277-282; 2017 (3/20).

    学会発表(最近3年間)

    1. 新福響太、川田一郎、阿部善彦、宮崎雅樹、坂巻文雄. 原発性肺癌術後に多発する骨格筋転移を認めた1例. 第604回日本内科学会関東地方会, 東京都(日内会館), 2014(3月8日).
    2. 坂巻文雄、真下周子、宮崎雅樹、川田一郎. 換気機能障害は肺血管拡張薬を使用した呼吸器疾患関連肺高血圧症の予後に関与する. 第55回日本呼吸器学会学術講演会ミニシンポジウム, 大阪市(大阪国際会議場), 2014 (4/23-4/25).
    3. 坂巻文雄、宮崎雅樹、扇野圭子、田中淳、近藤祐介、田崎厳、中村守男. タダラフィルを使用した間質性肺疾患に伴う肺高血圧症の長期経過. 第2回日本肺高血圧学会/第3回日本肺循環学会, 東京都(大手町サンケイプラザ), 2014(10/3-5).
    4. 田中淳、坂巻文雄、近藤祐介、田崎厳、増田大介、中村雄介、田尻琢磨、山田俊介.胸部CTで小結節影を呈し肺癌との鑑別に苦慮したアスペルギルス結節の1例.第211回日本呼吸器学会関東地方会,大宮市, 2014(9月).
    5. 川田一郎, 久保直子, 坂巻文雄. 家族で発症したデング熱の2例.第612回日本内科学会関東地方会, 東京都(日内会館),
    6. 坂巻文雄、宮崎雅樹、扇野圭子、堀尾幸弘、近藤祐介、田崎厳、中村守男. 肺血管拡張剤追加後に増悪した肺高血圧症例の検討. 第55回日本呼吸器学会学術講演会ミニシンポジウム, 東京(東京国際フォーラム), 2015 (4/17-4/19).
    7. 鎌谷高志、正木克宜、福永興壱、大塚健悟、田野崎貴絵、松坂雅子、持丸貴生、加畑宏樹、上田壮一郎、加行淳子、黄英文、鈴木雄介、佐山宏一、坂巻文雄、浅野浩一郎、別役智子.重症喘息患者における診断時年齢がアドヒアランスに与える影響.第55回日本呼吸器学会学術講演会ミニシンポジウム, 東京(東京国際フォーラム), 2015 (4/17-4/19).
    8. 真下周子、高橋左枝子、亀山直史、佐藤美奈子、佐々木衛、中鉢正太郎、白畑亨、坂巻文雄、仲村秀俊、浅野浩一郎、別役智子.CT多方向再構成画像を用いたCOPD患者の肺微小血管の定量解析.第55回日本呼吸器学会学術講演会ミニシンポジウム, 東京(東京国際フォーラム), 2015 (4/17-4/19).
    9. 堀尾幸弘、近藤祐介、田崎厳、増田大介、中村雄介、山田俊介、坂巻文雄.右下葉限局の器質化肺炎像を呈したIgG4関連肺疾患の一例.第214回日本呼吸器学会関東地方会,東京都(秋葉原コンベンションホール), 2015(5/23).
    10. 近藤祐介、田崎厳、堀尾幸弘、増田大介、中村雄介、田尻琢磨、坂巻文雄、山田俊介.胸水貯留で発見され胸腔鏡下生検で診断に至った縦隔原発B細胞性悪性リンパ腫の一例.第38回日本呼吸器内視鏡学会学術集会,東京都(京王プラザホテル), 2015(6/11-12).
    11. 坂巻文雄、近藤祐介、田崎厳、谷山大輔. 肺癌診断後に肺塞栓症/深部静脈血栓症を併発した症例の傾向と治療の問題点. 第56回日本呼吸器学会学術講演会, 京都市(国立京都国際会館等), 2016 (4/8-4/10).
    12. 高橋史成、杉貴文、高橋玄樹、近藤祐介、田崎厳、平岩真一郎、杉山朋子、田尻琢磨、坂巻文雄.下肢動脈瘤破裂に伴う総腸骨動静脈?を通じて動脈内に血栓が肺塞栓を生じた一例. 第223回日本呼吸器学会関東地方会, 東京都(東医健保会館), 2017(2/18).