脳卒中・神経センター

    ご挨拶

    東京都の高齢化は他の地域よりも著しく、その中で大きな問題となっているのが、脳卒中や認知症などの神経疾患への対応です。当センターでは、従来、脳神経外科・リ八ビリテーション科・脳神経内科の協力体制のもと、急性期脳卒中、神経難病、頭痛などのあらゆる神経疾患の診療を高いレベルで行って参りました。
    当院は、脳卒中学会一次脳卒中センター(PSC)に認定されています。2020年にはt-PA静注療法を計34人の患者に行いました。また、最近の脳卒中治療のパラダイ厶シフトの中核となる「脳血管内治療」を計32人の患者に行っており、この中には、近隣の病院で行われたt-PA静注療法で再開通が得られず、当院に転送されて血管内治療により血行再建を果たした(Drip, Ship &Retrieve)急性期大血管閉塞症例も含まれています。また、M2以遠の脳動脈の血栓回収(TronFX)、脳動脈瘤・動静脈奇形に対する血管内治療(小田教授)、頭蓋底腫瘍に対する先端的手術(今井講師)、あるいはボツリヌス・トキシン筋注による脳卒中後の痙縮治療(古川医長)などの先進的な治療も行っております。
    てんかんや脳炎などの神経救急疾患の多くは意識障害や筋力低下を来し、いわゆる「strokemimics」として当センターに搬送されます。特に、ギラン・バレー症候群、自己免疫性脳炎などの神経救急疾患は、周辺の医療圏からも数多く当院に受け入れております。一方、パーキンソン病やALSなどの神経変性疾患に関しても広く診療を行っており、神経学的所見や画像検査に基づいた正確な診断を心がけています。
    頭痛に関しても、頭痛専門医による精緻な診療を行っており、頭痛診療の中核施設として頭痛学会や頭痛協会(北川名誉教授)から認定されています。最近では、雷鳴頭痛を呈する可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)の経時的変化(下田教授)、片頭痛患者における白質病変の機序(安田講師)の研究も行っています。
    当センターでは医療連携にも力を注いでおり、私が代表を務める「南多摩医療圏脳卒中医療連携協議会」では、市民やコメディカルに向けて啓発活動を行っています。また、脳血管内治療の登録研究(Tama-TREAT)にも参加しています(青木講師・徳岡講師)。今後とも、当センターへのご支援を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。


    脳卒中・神経センター担当医