脳卒中・神経センター

    ご挨拶

    本邦では、2025年には65歳以上の高齢者が人口の30%を超えますが、東京都では他の地域よりも急速に高齢化が進行しており、ここ八王子も例外ではありません。そのため、住み慣れた地域で医療・介護・生活支援を受けられることを目指した「地域包括ケアシステム」を一刻も早く確立することが、焦眉の急となっています。特に、脳卒中に関しては、認知症と同様に高齢者ほど有病率が高く、急性期から維持期までをシームレスにカバーする医療連携が必須です。

    当センターは、開院以来、脳神経外科・神経内科・リハビリテーション科の協力体制のもと、急性期脳卒中、神経難病、頭痛などのあらゆる神経疾患の診療において、当地区にける中心的な役割を果たしてきました。特に、脳卒中診療においては、「(高度)急性期病院」の使命として、MRIファーストによる「24時間t-PA体制」を実践しており、2016年には計35人の急性期脳卒中患者にt-PAを投与することができました。また、最近の急性期脳卒中治療の進歩の目玉である「血管内治療」をいち早く取り入れ、南多摩医療圏で数少ない複数の「血管内治療医」を擁する医療機関として、2016年には計18人の患者に血管内治療を行いました。また、脳動脈瘤・動静脈奇形に対する血管内治療(小田医長)、脳内出血に対する内視鏡手術(小松准教授)、さらにボツリヌストキシン筋注による脳卒中後の痙縮治療(古川医長)などの先進的な治療を行っています。

    また、神経救急疾患の多くは意識障害や筋力低下を来し、いわゆるstroke mimicsとして搬送されます。特に、ギラン・バレー症候群は、年間10例、当センターに搬送されており、周辺の医療圏からも多くの患者を受け入れています。一方、パーキンソン病やALSなどの神経難病、認知症に関しても広く診療を行っており、検査に基づいた正確な診断を心がけています。

    当センターでは、頭痛に関しても専門医による精緻な診療を行っており、頭痛診療の中核施設として頭痛学会や頭痛協会(北川理事長)から認定されています。最近のトピックスとして、雷鳴様頭痛を呈する可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)の経時的変化が下田教授らにより明らかにされ、片頭痛患者における白質病変の機序としても注目されています。

    さらに、当センターは病診連携にも力を注いでおり、特に南多摩保険医療圏における「脳卒中医療連携協議会」では中心的な役割を果たしています。脳卒中市民公開講座(年2回)や医療者向けセミナーを通じて、回復期、維持期の医療機関の皆様と「脳卒中地域連携パス」の推進を図って参ります。

    脳卒中・神経センター担当医