消化器センター

    ご挨拶

    消化器センターは、6階のフロアーをすべて使用した6A病棟・6B病棟の89床からなり、消化器内科・消化器外科医が科の垣根を越えて協力し、消化器疾患の患者さんを診断・治療する、より専門性の高い部署です。

    胃腸の分野では、食道、胃、大腸の消化器癌を早期に発見し、患者さんへの負担が少ない治療を行うべく、内視鏡を使った新しい診断法や治療法(EMR、ESD) を積極的に行っています。また、手術が必要な胃癌・大腸癌に対しては、術後のQuality of Life の向上を目的に腹腔鏡下手術を取り入れた機能温存手術を行っています。また、下部直腸癌に対しては根治性を保ちつつできるだけ肛門機能を温存する手術を心がけています。さらに、食道癌では主に早期の患者様には胸腔鏡下手術(VATS)を行っています。しかし、進行した消化管疾患の患者さんに対しては、状態に応じて手術のみならず、手術+抗がん剤、放射線療法などさまざまな集学的治療を行っています。また、原因不明の免疫異常によると思われる潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患についても最新の治療法を導入していますが、手術が望ましいと判断した患者様には、腹腔鏡下で手術を行っています。

    肝胆膵の分野では、肝癌に対しては、早期肝癌には安全性と根治性を追及したラジオ波焼灼術を含む各種局所治療を、また進行癌には、動注化学療法、放射線治療、分子標的剤治療などを組み合わせた集学的療法、さらには肝切除術を積極的に行っています。膵疾患や胆道系疾患に関しても、胆石・胆嚢炎や急性・慢性膵炎などの良性疾患から胆管癌や膵癌に至るまで、各種の多彩な膵・胆道系疾患を扱っており、内視鏡を使ったERCP、EUS、膵・胆管ファイバー等で適切な診断・治療を行い、必要があれば膵・胆道系の手術も積極的に行っています。最近では、腹腔鏡下に肝切除・膵頭部/体尾部切除も行っており、早期退院が可能となっています。

    術前合併症を有する消化器癌症例に対するカンファレンス風景

    こうして、消化器内科・消化器外科・放射線科・リハビリテーション科などの統合的な治療体系を形成しております。さらに、このグループに病理診断科の医師も加わって消化器カンファレンスを週1 回行って、治療方針の確認・決定を行っています。また、看護師・薬剤師・栄養士・リハビリ療法士などのパラメディカルとも細かな連携を行って、最善の治療が提供できるよう努力しています。さらに、経過の長い疾患や定期治療を要する方々も多いため、地域の医療施設とも密接に連携をとり、質の高い医療を提供できるよう心がけております。また、JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)胃がんグループに所属しているため、臨床試験にも積極的に参加しています。

    診療内容