血管内治療センター

    ご挨拶

    血管内治療センターは、2020年4月1日より新たに設立されました。近年、当院には血管内治療の専門家が多数在籍し、積極的に低侵襲(身体に優しい)な高度先進治療を行える体制となってきました。「血管内治療」とは、一般的には「カテーテル治療」とも呼ばれており、小さな傷のみで体内でカテーテルと呼ばれるプラスチックの管や針金状のワイヤーをいれて血管内から病気を診断し、治療器具を挿入することによって身体に優しい治療をする高度な先進的治療として知られています。これらは、画像下治療(IVR:インターベンショナルラジオロジー)と呼ばれる放射線透視装置やCT、エコーなどの画像を見ながら細かな手術をする治療法の一分野とされています。
    センター長は画像診断科の長谷部(画像診断学 教授)が務め、副センター長には前・血管造影室室長を務めた循環器内科 森田典成 准教授が就任しスタートいたします。また、診療用放射線の安全管理に関する医療法施行規制の一部改正(平成31年厚生労働省第21号)の公布により、より安全かつ厳格な診療放射線管理が血管内治療分野でも求められるため、放射線診療の専門家である画像診断科 松本知博 准教授が副センター長としてサポートいたします。

    診療内容

    当センターの血管内治療に関わる診療科は画像診断科、循環器内科、脳神経外科、心臓血管外科、呼吸器内科、消化器内科、呼吸器外科などがあり、外来・入院診療を行っております。また放射線技術の専門集団として、放射線技術科があります。その他、多くの診療科が当センターとの密接な関係をもっています。実際の治療を担当するのは、以下の通りです。

    画像診断科からは長谷部光泉教授/松本知博准教授チームが担当し、肝がんに対する肝動脈化学塞栓術 (TACE)、喀血に対する塞栓術、下肢閉塞性動脈硬化症・重症虚血に対する血管拡張術・ステント留置術、抗癌剤治療や栄養点滴のためのCVポート留置術、CTガイド下肺・骨生検・ドレナージ、動脈瘤や全身緊急出血<外傷、術後>に対する塞栓術、癌に伴う上大静脈・下大静脈症候群に対するステント留置術、胃静脈瘤に対するBRTO(バルーン閉塞下逆行性経静脈塞栓術)、産科・泌尿器出血、子宮筋腫に対する動脈塞栓術などを行っており、24時間365日のオンコール体制をとっており夜間・祝日にも対応できる体制をとっております。

    循環器内科からは、不整脈治療として森田典成准教授チーム(小林義典教授・前院長)が担当し、カテーテルアブレーションを行っており、クライオアブレーション/レーザーアブレーションなどの高度治療についても多数行っております。ペースメーカ留置術についても多数行っております。虚血治療チーム(心筋梗塞・狭心症)としては、吉町文暢准教授チームが担当し、細径カテーテルを用いたステント留置術(スレンダーPCI)は専門家の中でも高い評価を受けております。循環器センターとの緊密な連携が行われております。

    脳神経外科からは、小田真理 教授(診療部長)チームが、脳動脈瘤に対するコイル塞栓術、脳卒中、急性脳梗塞に伴う脳血栓除去術、脳動静脈奇形に対する塞栓術などの高度かつ緊急的な血管内治療が可能です。

    心臓血管外科からは、桑木賢次教授/古屋秀和助教チームが担当し、大動脈瘤・大動脈解離に対するステント・グラフト内挿術を積極的に行っております(画像診断科と共同)。また、現・循環器内科の金渕 一雄 特任准教授(前・副院長)は安全管理の専門家でもあり、下肢IVRの多大な経験と実績があります。

    その他、消化器内科(小嶋准教授)、呼吸器内科(坂巻教授)、呼吸器外科(山田院長)は、癌や喀血などの血管内治療・IVRに密接に関係する診療科です。放射線技術科(村上科長)は、診療放射線撮影・管理の専門家集団であり、常に正確で安全な診断・治療を支える重要な科です。

    診療の特長

    我々は常に、患者に寄り添う高度かつ身体に優しい診療を目指しており、治療に関わる多くの臨床研究、基礎研究を行っております。当センターから開発された血管内治療デバイスとしては、脳血管除去ステント:Tron FX血栓除去デバイス(画像診断科、脳神経外科)がすでに市販されており高い評価を受けております。また、現在国家プロジェクトとしてAMED(日本医療研究開発機構)の先端計測分析技術・機器開発プログラムとして採択されている「膝窩動脈以下 (below-the-knee:BTK) の細径動脈硬化性病変に対する長期開存ステントシステムの開発(代表:長谷部)」については、実用化のための研究が当センターにおいて現在進行中です。また、低侵襲な癌の治療やリンパ管の描出を可能にするナノ粒子開発のプロジェクトは、同じく国のプロジェクトとしてAMED令和2年度「橋渡し研究戦略的推進プログラム」に採択されております。
    これから血管内治療センターは、院外からの紹介に対しても、迅速・丁寧・安全かつ高度な診療を提供しつづけ、地域の診療を高度な技術でサポートする役目を果たしたいと思っております。どうぞ、皆様から暖かいご指導、ご鞭撻を賜りますようによろしくお願い申し上げます。

    森田副センター長チーム(不整脈:カテーテルアブレーション治療)

     

    心臓血管外科/画像診断科:大動脈瘤ステントグラフト
    長谷部センター長/松本副センター長IVRチーム